非公認候補の選挙資金の流れ

非公認候補の選挙資金の流れ

「法律上、党本部には戻せない」

 もう1人、三ツ林裕已氏(埼玉14区)も選挙後に返金したという。三ツ林氏の元政策秘書は、本誌・週刊ポストの取材に「返金はしました。もしあれでしたら振込票がありますから。公開していないので、チラッとしか見せられませんが。目視だけならいいです」とスマホで撮影した振込用紙の画面を見せた。

 そこには、「11月7日」に「りそな銀行衆議院支店」の「ジユウミンシュトウ」に「20,000,000」を振り込んだ記載があった。

 ところが、カネを配った自民党本部は取材に対し、文書回答で「返金は受けられない」と主張したのだ。取材に対し、自民党幹事長室名で以下の回答があった。

「党本部から支部に支出した政党助成金は、法律上、党本部には戻せないことになっている」

 実際、非公認候補の1人である細田健一氏(新潟2区)は「返還を党本部に伝えたが、駄目だと言われました」(細田事務所)と説明した。党本部は返金を受け付けるつもりがないことがわかる。

 総務省に聞くと、「政党助成法で、戻せないという規定はありません。が、政党助成法14条の『定義』で、政党交付金は本部から支部に出すが、支部から本部への支出は定義されていないので、『支部から本部には戻せない』ということになっています」(政党助成室)と説明した。

 だとすると、「党本部にその旨を申し出、指定された口座への返金手続きを完了」と説明している萩生田氏は党本部に指定された「別の口座」に2000万円を振り込み、三ツ林氏は、2000万円を自民党本部の口座に一方的に振り込むことで返金した、ということなのか。

 萩生田氏と三ツ林氏に聞いたが、締め切りまでに回答はなかった。

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