ライフ

アリシアクリニック破たん 突然解雇で路頭に迷う従業員、ハローワークも支援、クリニックが雇い入れを申し出る動きも、厚生労働省と東京都も情報共有

(時事通信フォト)

2024年12月10日に経営破たんしたことが明らかになった医療脱毛のアリシアクリニック(時事通信フォト)

 医療脱毛のアリシアクリニックが2024年12月10日に経営破たんしたことが明らかになった。ヒフコNEWSで伝えているように、契約していた人は9万人を超えると見られ、大きな影響が出ている。ヒフコNEWSでも伝えているが、他の医院やエステが救済する動きもある。

 SNSでも嘆きの声を目にするが、そうした中に働いていた人が路頭に迷っている状況について投稿されたものもある。

アリシアクリニックの従業員を雇う医院も

 アリシアクリニックの出している情報は、現状では破産についての報告のみであり、詳細の情報は限られているが、過去の情報や資料によれば、全国43医院を展開していた。従業員も1000人を超える規模にだったとされる。

 利用者が破産を知らされたのは破産手続開始決定の当日だったが、従業員に対しても当日知らされた状況だった。従業員の投稿を見ると、関連が指摘されていた銀座カラーが2023年12月に経営破たんした後に、アリシアクリニックの解約も増加し、返金が多額に及んでいる状況だったという声がある。銀座カラーの本店と同じビルに入居するなどの共通点が認められていた。アリシアクリニックの従業員の中にも、経営の安定についての不安はあったようだが、運営している会社の経営は問題ないと説明を受けていたようだ。

 従業員の中には、給与の支払いを受けられず、12月が無収入の状態に陥っている人が多数存在する恐れがある。さらに、SNS投稿を見る限りでは、少なくとも1人を確認できるのだが、産休に入っていたり、これから産休に入ったりする人がいるという書き込みがある。看護師やカウンセラーには女性も多いと予想される。同様な境遇にある人はほかにいる可能性もある。生活の状況にも大きな影響を与える状況となり、生活の再建も緊急を要する問題になってくると考えられる。

 ヒフコNEWSの別の記事では、利用者への救済の動きが出ていることを伝えている。それに加えて、主にクリニックが、アリシアクリニックの従業員を雇うことを伝えている情報もウインターネットやSNS上にも確認することができる。こうした救済が広がるのは、歓迎される動きといえるだろう。

厚生労働省や東京都も問題を認識

 ヒフコNEWSでは、東京都労働局に連絡を取り、アリシアクリニック倒産の件について問い合わせたが、現在、厚生労働省も東京都もアリシアクリニック倒産を認識し、対応を進めているという回答が得られた。ハローワークでも一部、対応を求める通達が届いているようだ。

 失業に当たって雇用保険手続きをするためには、離職を証明する「雇用保険被保険者離職票(離職票)」を得る必要があるが、倒産企業の場合、その企業が速やかに離職票を発行しないことが予想される。そうした際には、ハローワークで特別に手続きを案内される可能性もある。離職票、雇用保険被保険者証、個人番号確認書類、身元確認書類、写真、預金通帳といった資料が必要になる。最寄りのハローワークに問い合わせることは有効だろう。

 また、失業保険の申請から給付開始までには、時間を要するのが一般的で、今回のように突然の倒産では、さらに遅れる恐れもある。また、ハローワークでもアリシアクリニック倒産について情報共有がなされていると見られる。必要に応じて特例措置が講じられる可能性もある。一刻も早く相談すると良いだろう。具体的な措置などが分かれば、ヒフコNEWSで引き続き伝える。

参考文献

アリシアクリニック注目の中、 脱毛サロン倒産が記録更新 過去最多に、エステ脱毛ばかりではなく医療脱毛の信頼も揺らぐ、帝国データバンクが報告

雇用保険手続きのご案内

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン