ビジネス

フジテレビ“減収500億円”予測でもダメージは軽微 マンション販売やホテルなどグループ事業が好調、フジHD社員の平均年収は1600万円程度で「超優良企業」継続

会見時間は10時間を超え、深夜2時半頃まで続いた

会見時間は10時間を超え、深夜2時半頃まで続いた

 1月27日、底冷えのする曇天の東京・お台場。フジテレビ経営トップによる会見に、400人を超えるメディア関係者が集まった。“閉鎖的”と批判された前回の会見から一転し、参加媒体、質問数、時間を無制限としたものの、会場の雰囲気は殺伐としたものだった。

「入り口では、持ち物検査と金属探知機による身体チェックが求められ、質問者への警戒がうかがえました。実際、ほかの人の質問の最中に割って入り、ヒステリックに叫ぶ女性記者、突然港社長に“しっかりしろ!”と怒鳴る男性記者がいて、身の危険すら覚えました。経営陣の釈然としない説明もあり、会場にいる全員がストレスを感じる空間でしたね」(参加したジャーナリスト)

 経営陣への批判の声は、フジテレビ内部でも多く上がっている。

「23日に行われた社内説明会では、『経営陣は責任を取るべきだ!』『信頼の回復はできるのか?』と詰問する社員が多数いました。さらに、港社長らがトラブルを把握した後も、コンプライアンス(法令遵守)部門に報告していなかったことも明らかになった。企業として、ガバナンスは一体どうなっているのか……今年4月に入社予定の内定者の中には、入社を迷っている人も何人かいるようです」(フジテレビ関係者)

 失っているのは、信頼だけではない。

「少なくとも75社がフジテレビへのCMを差し止め。一部のスポンサーからは、差し止め分の返金を求める動きも出ており、減収額は500億円にのぼるともいわれています」(広告代理店関係者)

 フジテレビの将来を不安視する声が上がる一方で、親会社のフジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)としてのダメージはほとんどなさそうだ。

「実はグループ全体で見ると、フジテレビが出す利益の割合は大したことはないんです。ネット広告の台頭や視聴率の低下を受けて利益率は減少の一途をたどっていて、2024年3月期にはグループ全体でフジテレビが占める利益は約16%にまで低下しています」(全国紙経済部記者)

 とはいえ、かつてテレビ事業は莫大な利益をあげており、“ドル箱”ではあった。そのときの蓄えを使って新たな収入源となっているのが、都市開発や観光ビジネスだ。

「フジHDは2012年、総合デベロッパーのサンケイビルを子会社化。マンション販売が好調で業績を伸ばしており、2024年3月期には過去最高益を記録しています。また2015年に買収したグランビスタホテル&リゾートも、インバウンド需要を取り込んで急成長中です。フジテレビの業績が傾いてもグループ全体への影響は軽微といっていいでしょう」(経済アナリスト)

 社員たちの年収も、かなりの高水準だ。

「2024年の有価証券報告書によると、フジHDの平均年収は約1600万円。フジHDにとって、フジテレビが減収したといっても重要な“中核子会社”であることには変わりなく、フジテレビ社員の平均年収も、この数字とかけ離れたものではないでしょう。そもそも、いくら不祥事を起こしても、国から放送免許を与えられた電波事業は失われませんから、これからも超優良企業であり続けますよ」(前出・全国紙経済部記者)

 27日、港社長に代わり清水賢治氏の新社長就任を発表したフジテレビ。早期の信頼回復が待たれる。

女性セブン2025213日号

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン