ライフ

トイトイトイクリニック、営業停止で救済の動き、複数の施設が提案、一部のクリニックが都度支払いや施術の割引のプラン、過去のエステ脱毛大型倒産時と状況は変化

脱毛サロンの倒産が過去最多を更新(写真/イメージマート)

脱毛サロンの倒産が過去最多を更新(写真/イメージマート)

 都内で医療脱毛を中心とした美容施術を提供していたトイトイトイクリニックを運営する医療法人社団が営業停止に至ったことを受け、複数の美容クリニックが救済プランの提供を公表している。

 エステ脱毛や医療脱毛の経営破たん後に、他のサロンやクリニックが救済を申し出るのは想定内の流れになっている。

 一方で、従来のエステ脱毛の大型倒産のように、無料あるいはごく低価格で脱毛を提供する動きは見られなくなった。

アリシアクリニック経営破たん時と同様の対応

 東京商工リサーチが2月1日にトイトイトイクリニックを運営する医療法人社団雪焔会の営業停止を報じた。新宿、池袋、原宿でクリニックを運営していたが、売上高が増える一方で、利益率が低調だったという。結果として、営業の継続が難しくなったと推定される。

 この営業停止を受けて、複数の美容クリニックが救済プランを公開している。

 ウェブ上で確認されるのは、渋谷三丁目クリニック(東京都渋谷区)、恵比寿ブライトスキンクリニック(東京都渋谷区)、LiLA スキンクリニック中目黒(東京都目黒区)、ウィルビークリニック(東京都中央区)という美容クリニックによる救済プラン。これらのクリニックでは、「脱毛クリニックで残念な想いをされた皆様へ」 「倒産の被害に遭われた方へ同業者として心よりお詫び申し上げます」などと説明し、救済内容を示している。

 その救済内容を見ると、都度払いによる脱毛プランや3~5割引きを提案するものになっている。2024年12月の医療脱毛大手アリシアクリニック経営破たんの救済プランと同様な内容であるといずれのクリニックも説明している。

宣伝が多いところが安定とも限らない

 こうしたエステ脱毛や医療脱毛が経営破たんした場合の救済の形は変化している。

 2023年12月にエステ脱毛大手の銀座カラー運営会社が経営破たんされた際には、脱毛を無料や数千円という低価格のプランを提供するサロンやクリニックも見られたが、そのような新たな出費を不要とするような救済の動きは見当たらない。

 2024年12月のアリシアクリニックの際にも、約9万人近くの被害者が出て、救済プランの公表が相次いだが、このときには無料やごく低価格のプランを提供する動きは見られなくなっていた。むしろSNSなどでは救済といいつつも、営業に過ぎないのではないかという指摘も出ていた。経営破たんしていたサロンやクリニックに通っていた人にとっては、救済を受けるにしても新たな出費が必要になるため、負担感を抱くのは自然だろう。

 一方で、エステ脱毛にせよ、医療脱毛にせよ、競争が激しくなり、利益が出づらくなっているとされる中で、無償の救済をするのも容易ではないと考えられる。

 施術を検討する側から見れば、エステ脱毛、医療脱毛ともに、施術を受けられる場所は多く、選択肢が多すぎて迷いやすい。経営破たんしたサロンやクリニックは宣伝を積極的にしていたところも多く、そうした知名度が高いところが安定しているとは必ずしもいえない。脱毛業界の難しい状況は当面続くと見られるので、脱毛を検討する場合には、都度払いのプランが優先されるなど、少しずつ変化していく可能性がある。

参考文献

医療脱毛トイトイトイクリニック運営の医療法人社団が営業停止、医療脱毛の苦境が表面化、東京商工リサーチが速報

銀座カラー閉店の衝撃、2024年も救済の手はまだ伸びる、美容医療やエステの連携が継続

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
普通のおじさんがSNSでなりすまされた(写真提供/イメージマート)
《50代男性が告白「まさか自分が…」》なりすまし被害が一般人にも拡大 生成AIを活用した偽アカウントから投資や儲け話の勧誘…被害に遭わないためには?
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン