スポーツ
人生で残酷なことはドラゴンズに教えられた

【ドラゴンズファンの嘆き】往年のオールスター「ファン投票」で知る民主主義の欠陥 投票結果も民意も「常に正しいわけじゃない」【中日ドラゴンズに学ぶ人生の教訓】

ナゴヤドーム(当時)のスタンドで盛り上がる中日ファン(写真は2019年、時事通信フォト)

ナゴヤドーム(当時)のスタンドで盛り上がる中日ファン(写真は2019年、時事通信フォト)

 3年連続最下位からの反転攻勢を目指す中日ドラゴンズについて異色の本が出た。新書『人生で残酷なことはドラゴンズに教えられた』の著者である拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏は、幼少時からの熱烈な中日ファンだ。「日中問題」の専門家である富坂氏が「中日(ファン)問題」について綴るシリーズ第6回のテーマは、中日ファンの“リテラシー”である(シリーズ第6回。第1回から読む)。

 * * *
 ドラゴンズで「短気」っていえば、やっぱり星野仙一投手の専売特許だ。星野一人でお腹一杯だ。でも、星野は陽キャだから救いがある。それにひきかえ、暗い短気って……。

 世の女性は「物静か」を「やさしい」と混同しがちだが、大きな間違いだ。

 アライグマもイタチも実は凶暴である。新書『人は見かけが9割』が大ヒットしたのは2005年。中身を読んだことはないが概ね肯定できる。しかし、例外はある。人じゃないけど、ラーテルとかクズリとか、見た目からは想像できない恐ろしさだ。

 そういえば、あの手塚治虫の大作『ジャングル大帝』のアニメに登場する哲学者のようなヒヒ、マンディ爺さんがマンドリルなんだと知ったときにも違和感を覚えた。本当のマンドリルは哲学者とは似ても似つかない粗暴さをまとっているからだ。

 豆知識だが、動物園ではヒヒやサルに笑いかけるのは避けたほうがよい。理由は「歯を見せるのは威嚇行為」とみなされるからだ。

 この知識、じつは実証済みだ。「実践は真理を検証する唯一の基準」(鄧小平)である。「実事求是」だ。私は、いい年齢になってからだが、動物園で実証してみた(まさに実事求是だ)。分厚いガラス越しに対面したマンドリルと目が合うのを待って、大げさに歯を見せてニッと笑ってやったのだ。

 するとマンドリル、怒ること怒ること。ガラスに向かって突進してきたのだ。

 このときの恥ずかしさ(周囲にはたくさん人がいて、一気に注目を浴びてしまった)と恐怖といったらなかった。いや、ひたすら恐怖だ。もう、自宅まで追い込みかけられるんじゃないかという考えが頭をよぎったほどだった。

 マンドリルは哲学者なんかじゃない。そして、高木もおんなじだ。かなり怒りっぽい人だったようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
19歳の時に性別適合手術を受けたタレント・はるな愛(時事通信フォト)
《私たちは女じゃない》性別適合手術から35年のタレント・はるな愛、親には“相談しない”⋯初めての術例に挑む執刀医に体を託して切り拓いた人生
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左・共同通信)
《熊による本格的な人間領域への侵攻》「人間をナメ切っている」“アーバン熊2.0”が「住宅街は安全でエサ(人間)がいっぱい」と知ってしまったワケ 
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン