「僕が監督をやったらバントとエンドランがなくなっちゃう(笑)」

富坂:しかし、ドラゴンズの選手はなかなか全国区の人気になりませんよね。良い選手は多いのに。私が個人的に悔しいのは最近では吉見(一起)投手です。凄いピッチャーなのに、全国的な評価はイマイチだったかと。

宇野:メディアの問題も大きいんじゃないかな。

富坂:そこですよ!

宇野:僕らの頃なんて、とにかく巨人を1面にしときゃ売れるって感じだったでしょ。最近はBS放送とかCS放送とかネット媒体とかもあるから、そうじゃなくなってきているようだけどね。

富坂:最後に2025年のドラゴンズです。宇野さんがもし監督なら、どんな打順で挑みますか?

宇野:まあ、トップバッターは岡林(勇希)で。それからは僕の論理なんだけど、とにかく「打率のいい順番に並べりゃいい」って考えてるの。日本では、とにかくバントとかエンドランとか小細工しようと考えて、“2番打者に向いているのは誰だ”みたいなことを言い出すけど、そういう野球はもうやめましょう、と。

富坂:じゃあ、「燃えよドラゴンズ!」の「二番・谷木が送りバント」という歌詞は封印しないとダメですね。

宇野:いらない、いらない。それは大昔でしょう。そもそも僕がバントを嫌っているのは、何でわざわざアウトを一つ相手に献上しなきゃいけないのか分からないから。ノーアウト一塁、二塁。これ、大チャンスだよ。相手のバッテリーはとても困って、凄く怖がっているのに。そこでワンアウト与えたら、気が楽になっちゃうでしょ。それより大量点を狙ってくる相手のほうが恐ろしい。なぜメジャーの監督がバントのサインをほとんど出さないかといえば、選手がみなプライドを持っているからでしょ。だから、中日の選手もプライドを持ってほしい。そのためには一生懸命練習しないといけないけどね。

富坂:やっぱり、中日の監督をやってほしいです。

宇野:でも僕がやったら、バントとエンドランが本当になくなっちゃうんでね(笑)。

(第16回に続く)

※『人生で残酷なことはドラゴンズに教えられた』より一部抜粋・再構成

【プロフィール】
富坂聰(とみさか・さとし)/1964年、愛知県生まれ。拓殖大学海外事情研究所教授、ジャーナリスト。北京大学中文系中退。1994年、『龍の伝人たち』で21世紀国際ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。『中国の地下経済』『中国の論点』『トランプVS習近平』など、中国問題に関する著作多数。物心ついた頃から家族の影響で中日ファンに。還暦を迎え、ドラゴンズに眠る“いじられキャラ”としての潜在的ポテンシャルを伝えるという使命に目覚めた。

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