国内

《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる

まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)

まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)

 特殊詐欺と聞くと、被害は主に高齢者というイメージが長らくあった。ところが、最近の被害は全年齢にわたる傾向が強まっているという。手元にあるスマートフォンの番号表示を警察署に偽る手口が急拡大したことが注目を集めたが、近年、劇場型詐欺のシナリオに名称が使われたことで深刻な風評被害が発生している。ライターの宮添優氏が、その劇場型のシナリオによる手口と風評被害についてレポートする。

 * * *
 末尾が「0110」で終わる、主に警察署で使用される電話番号を偽装表示し、ターゲットに架電をするパターンの特殊詐欺が増加傾向にある。事件を取材するキー局社会部デスクが解説する。

「”0110″の番号で着信する詐欺電話被害は、全国各地で今も発生しています。詐欺師はまず、警察署や警察関係者を装って被害者に電話で接触。あなたが捜査対象者だ、逮捕される可能性がある、示談金を支払えば逮捕されない、などありもしないことを告げられた被害者は、怖くなって金を払ってしまうのです」(社会部デスク)

 もっとも、ありとあらゆるパターンの特殊詐欺事件の手口が報じられているので、この「警察になりすます」方式だけでは、ニュースを見ているであろう人たちをだませない。そこで、ターゲットをだますための「劇場型」の仕組みが用いられる。

「警察を装った電話の後、被害者救済機関や法的機関を名乗る別の人物が被害者に接触するのです。たとえば、電話口の人物に警察官だと言われても疑う人は疑います。ですが、不審感や不安感を少しでも抱いている被害者に、また別の人物が”救済”をちらつかせて接触すれば、多くの被害者がコロッと騙されてしまう。最近特に多く発生しているのが、警察だけでなく、携帯電話会社や被害者救済機関を名乗る人物が追加して登場する、劇場型の詐欺被害。一昨年ころから全国で相次いでいます」(社会部デスク)

 かつて特殊詐欺が社会問題となり始めた頃、高齢の親世帯の電話に、トラブルに遭って取り乱した息子を装った電話がかかってくる、というのがよくある手口だった。その手法が報道などで広まり、息子を名乗るだけでは騙される人が減ってきたところ、今度は偽の息子だけでなく、そのトラブルの担当だと称する警察官や弁護士も電話口にあらわれるパターンが登場した。あらかじめシナリオを準備してターゲットに接触、複数の登場人物がストーリー仕立てで詐欺を行う「劇場型詐欺」だ。今回も、被害回復を持ちかける救済型へと変化している。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト