5万円で回避できるならと振り込んでしまった(イメージ)

5万円で回避できるならと振り込んでしまった(イメージ)

「今なら救済制度もある」

 詐欺被害者の「救済」を行うという「協会」から、実際に電話を受けたという関西地方在住の女性(40代)が振り返る。

「スマホに”料金が滞納中”というショートメッセージが届いたんです。最初は、よくある架空請求かと思いましたが、ちょっと心当たりがあって…。メッセージに記載されていた050から始まる番号に、かけてしまったんです」(40代女性)

 彼女のもとに届いたショートメッセージは「携帯サイト利用料金が未納」としか書かれていなかったが、当時、スマホの有料アプリなどを使って「婚活中」だった。もしかしたら、いくつか利用していた有料アプリのうち、退会せず放置しているものがあるかもしれない、そう感じて電話を折り返してしまったという。

「契約しているスマホ会社の担当者を名乗る男性は、私のスマホから有料サイトにアクセスがあり、その利用料金が50万円ほど溜まっている、という話でした。どのサイトか、アプリかは教えてくれませんでしたが、未納状態が続いており、このままでは私が”逮捕される”とはっきり言われたのです」(40代女性)

 未払い、逮捕、といわれて平気な人はいない。まして、女性には「心当たり」もあったため、一気に動揺してしまったという。そして電話口の男は、女性の動揺を見透かしたかのように「今なら救済制度もある」と、追い込まれた女性とっては垂らされた「蜘蛛の糸」とも思えるような話をし始めたのである。

「”日本個人データ保護協会”という団体があって、たとえば、誰かが勝手に私のスマホを使って有料サイトにアクセスしていたとしても、被害額はカバーされる、というような話でした」(40代女性)

 その後すぐ”日本個人データ保護協会”の担当を名乗る男から電話があった。男は、まず先払いで「50万円」を支払えば、仮に女性が有料サイトを使っていなかったとしても”日本個人データ保護協会”なる団体が、金額の95%を保証してくれる、つまり「返金がある」と説明。50万円の未払いが、実質5万円程度の支払いで済み、逮捕も回避できると女性はとらえ、すぐに指定された口座に金を振り込んだのだ。

「もちろん、それ以降は電話もつながらないですし、先方の口座も間もなく、別の詐欺事件に使われたらしいということで凍結されてしまった。警察にも相談しましたが、お金は返ってこないだろうと。また、不安になってスマホのアプリをすべて見返しましたが、退会を忘れていた有料アプリも、間違って登録したサービスもなく、すべては私の勘違いだったんです」(40代女性)

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