ライフ

《怒りすぎる人たち》駅員に、コールセンターに、コンビニ店員に…「人間不信になりそう」現場から悲痛な声、次々と辞める若手たち

電車遅延について駅ホームで怒りすぎる人たちがいる(写真提供/イメージマート)

電車遅延について駅ホームで怒りすぎる人たちがいる(写真提供/イメージマート)

 自分が感じているストレスとどう向き合うかは、人それぞれだろうが、反撃されないと分かっている相手に憤懣をぶつける人たちがいる。駅で、街で、職場で遭遇させられる怒りすぎる人たちのやつあたりに振り回される人たちの苦悩を、ライターの宮添優氏がレポートする。

 * * *
「金とってるんだから、もう少し丁寧に説明しろよ! 謝れよ!」

 通勤客でごった返す朝の駅ホーム上に響き渡った怒声に、周囲の人は一瞬だけ「何事か」といった様子で顔を向けた。ところが、多くの人の顔は「ああ、そういう人か」といった、呆れているとも、無関心とも取れる微妙な表情を浮かべ、視線を落とすばかり。それでも、怒声の主の怒りは収まらない。

「大体、ケチってホームドア未設置だから事故るんだろうがよ! こんだけ遅れてんだから払い戻せよ!」

 怒声の主は、多少、髪の薄くなった中年サラリーマン。顔を真っ赤にして口角から泡を飛ばしているが、その相手はホーム上にいた、朝の混雑時間帯のみに配置されるアルバイトとみられる若い男性駅員だ。

 この日は人身事故が発生したため、相互乗り入れをする別路線の電車のダイヤも大幅に乱れていた。時刻表通りに来ない電車への厳しさはおそらく日本人が一番だろうが、人身事故とあれば仕方がない。しかし、やっと来た電車も満員に次ぐ満員で、乗りきれない客がホーム上に溢れ出してくると、男性は最初、周囲の客とぶつかるなどしてトラブルになっていた。近くにいたという団体職員の女性が呆れながらいう。

「みんな電車が遅れてイライラしていたのに、男の人がクソとか、だるいとかブツブツ言い始めて、近くを通る人にわざとぶつかっていたんです。それからトラブルになり、今度は駅員さんに言いがかりをつけ始めました。みんなイライラしていたのに、男の人のせいで余計イライラして。次に来た電車に強引に乗り込んで行きましたが、その後、他の方が通報したらしく、警察が来ていました。怒鳴られていた駅員さんは多分学生さんくらいの年齢のアルバイト。人身事故で遅れているのに、文句を言たってしょうがないじゃない」(団体職員の女性)

 筆者もこの一部を目撃していたため、それから数時間は非常に嫌な気持ちで過ごす羽目になったと同時に、若い駅員が気の毒で仕方なかった。人身事故による遅延は、若い駅員が注意していれば防げたものではないし、プラットホームからの転落を防ぐドアなどが当駅に未設置だったのも、若い駅員には関係のないことだ。むしろ、未設置だったがために駅員が設置された、という顛末がある。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン