ドナルド・トランプ米大統領が自身のSNSアカウントに投稿したローマ教皇に扮(ふん)した画像[SNS「トゥルース・ソーシャル」から](時事通信フォト)

ドナルド・トランプ米大統領が自身のSNSアカウントに投稿したローマ教皇に扮(ふん)した画像[SNS「トゥルース・ソーシャル」から](時事通信フォト)

 さかのぼると2月19日には、自身のSNSで自らを指し「王様万歳」と書き込んだトランプ大統領。同日、ホワイトハウスは Xに王冠をかぶり、得意満面な笑みを見せるトランプ大統領のイラストを投稿した。就任した「初日だけ独裁者になる」と述べていたトランプ大統領だが、その権限をあらゆる場面とあらゆる業界で主張し、誇示しているといえる。

 これまでの大統領の言動を見るに、トランプ大統領は自分が見たいものしか見ない。自分に都合の悪い情報には無関心になるし、自分に反対する者、反する意見は排除しようとする「確証バイアス」が強い人物だ。そのため、自分の意見や信念を肯定し、あなたは正しい、あなたが一番と言ってくれるイエスマンばかりが残ることになる。このような組織では自由な発言は許されなくなっていく。ホワイトハウスのXの投稿をみれば、その傾向が組織内で加速していることがわかるだろう。

 そしてこのような組織に怖いことがもう1つある。「ピーターの法則」のような現象が起こることだ。ピーターの法則とは組織の上層部が無能な人であふれてしまう傾向をいい、組織では誰もが有能さを発揮できていた地位から、自分の能力の手に負えない、無能ぶりを露呈する地位まで昇進できるからだといわれる。トランプ大統領が選んだ閣僚たちも有能だろうから選ばれたわけだが、全員がその地位で有能さを発揮できるかどうかは発足100日ではまだわからない。

 これまでの組織で有能だったとしても、トランプ政権で大統領が求める有能さで評価される彼らが、米国社会や世界が求める有能さを発揮できるとは限らない。適した人材を正しく選び評価できない組織で、かつイエスマンばかりの組織では、求められ優先される能力が異なり無能な部下を昇進させることになりかねない。

 自由の国といわれた米国がトランプ大統領の下で変わりつつある。ホワイトハウスの公式Xが投稿する大統領の画像がそれを物語っている。

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