芸能

フジテレビ問題を受けてなお“アナウンサー特番”はなぜ放送される? フジは若手女性アナ出演なし、民放4局に表れた色分け 

フジテレビ問題を受けて特番出演はベテランの伊藤利尋アナだった(写真左・共同通信社)

フジテレビ問題を受けて特番出演はベテランの伊藤利尋アナだった(写真左・共同通信社)

 一連のフジテレビ問題は、テレビ局とアナウンサーの関係性にも大きな影響を与えている。それでも、フジや日テレではアナウンサーをフィーチャーした特番が放送されている。その背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 

* * * 

 11日夜『千鳥かまいたちゴールデンアワー』(日本テレビ系)で「全国テッパンアナウンサー大集合SP」が放送されました。番組内では日本テレビ系のアナウンサー41人が集結し、水卜麻美アナや羽鳥慎一さんらを交えてトークを行い、「ベスト・オブ・テッパンアナ」を決定。 

「称号をほしがるアナ」「父親にインスタを管理されているアナ」などのキャッチコピーをつけて各アナウンサーをフィーチャーしたほか、「ネットに好き勝手書かれる」「婚活アプリ顔出しできない」などの“あるある”エピソードが明かされ、ものまねなどの鉄板芸を披露するコーナーもありました。 

 その内容を見ていて思い出したのが、フジテレビのアナウンサー特番『FNS明石家さんまの推しアナGP』。これは『さんまのFNSアナウンサー全国一斉点検』をリニューアルして昨年4月に放送された特番ですが、今年は一連の騒動があったからなのか放送が見送られました。 

視聴者にわかりづらいフジの起用姿勢 

 しかし、そのフジテレビは日テレのアナウンサー特番から5日後の16日夜、『呼び出し先生タナカ』で「優等生アナNo.1決定戦 NHK全民放キー局元エースアナ集結」を放送します。こちらの内容はフジテレビのアナウンサーと各局出身のアナウンサーが、ニュース映像に関するクイズや原稿読みなどで対決し、ナンバーワンを決めるというもの。2時間まるごとアナウンサーをフィーチャーした構成・演出であることは間違いありません。 

 また、フジテレビのアナウンサー特番で記憶に新しいのは、3月17日に放送された『ネプリーグ』の「各局出身アナウンサーNo.1決定戦2025」。今回の『呼び出し先生タナカ』と極めて似た構成でしたが、この特番はもともと1月27日に放送予定であり、騒動が深刻化する前に収録されました。さらにその1月27日は奇しくもフジテレビが10時間超にわたる記者会見を生放送した日。騒動の内容から「お蔵入り」という声もあがっていた中、2か月弱の時を経て3月17日放送されました。 

 アナウンサーをめぐるフジテレビの動きで見逃せないのは、第三者委員会の調査報告書を受けて発表した「再生・改革に向けた8つの具体策」。その中に「編成・バラエティ部門を解体・再編 アナウンス室を独立へ」という項目がありました。これは「編成・制作がキャスティングをする側、アナウンサーがされる側という従属的な関係性をなくす」ことを目的にした改革案。両者の調整役を果たすコーディネーター制度も創設するなど、「今後はアナウンサーの立場を守り、意思を尊重していく」という姿勢を感じさせられます。 

 アナウンサーにかかわるフジテレビの対応を簡単に整理すると、一連の騒動があったにもかかわらず、3月、6月にアナウンサー特番を放送。一方で明石家さんまさんの「推しアナGP」は放送を見送られました。さらにアナウンス室の独立を進め、アナウンサーの立場を守ろうとしています。 

 視聴者にしてみれば「フジテレビはアナウンサー特番を放送するのかしないのか、どちらなの?」「今後はどのようにアナウンサーを使っていくの?」などと方針がわからないのではないでしょうか。 

 また、そんな苦しい状況のフジテレビを知っているはずの日本テレビは、なぜこのタイミングでアナウンサー特番を放送したのか。主要局のTBSやテレビ朝日も含め、テレビ業界におけるアナウンサーの現状を掘り下げていきます。 

関連記事

トピックス

2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志と浜田雅功
《松本人志が11月復帰へ》「ダウンタウンチャンネル(仮称)」配信日が決定 “今春スタート予定”が大幅に遅れた事情
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
“新庄采配”には戦略的な狙いがあるという
【実は頭脳派だった】日本ハム・新庄監督、日本球界の常識を覆す“完投主義”の戦略的な狙い 休ませながらの起用で今季は長期離脱者ゼロの実績も
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
電撃結婚を発表したカズレーザー(左)と二階堂ふみ
「以前と比べて体重が減少…」電撃結婚のカズレーザー、「野菜嫌い」公言の偏食ぶりに変化 「ペスカタリアン」二階堂ふみの影響で健康的な食生活に様変わりか
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
駒大苫小牧との決勝再試合で力投する早稲田実業の斎藤佑樹投手(2006年/時事通信フォト)
【甲子園・完投エース列伝】早実・斎藤佑樹「甲子園最多記録948球」直後に語った「不思議とそれだけの球数を投げた疲労感はない」、集中力の源は伝統校ならではの校風か
週刊ポスト
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン