一列目左から青山祐子、永井美奈子、馬場典子。二列目左から安東弘樹、山本里菜(番組公式HPより)
アナウンサーの本音は「出たい」
日本テレビの『千鳥かまいたちゴールデンアワー』も計41人中、女性28人・男性13人。地方局は女性アナウンサーが多いことを踏まえると、男女のバランスを考えたキャスティングである様子がうかがえます。
しかも同番組の「ベスト・オブ・テッパンアナ」に選ばれたのは51歳のベテラン男性アナでした。その選考理由はさておき、「女性アナウンサーばかりフィーチャーする」という批判を避けられる結果であったことは間違いないでしょう。
日ごろアナウンサー本人たちに話を聞くと、過剰な要求などがなければ「バラエティにも出たい」という人がほとんど。「報道・情報番組が最重要であることは変わらないものの、バラエティも楽しく、学ぶことが多い」という人が多く、さらに退社後のキャリアを考えてさまざまな番組への出演を望む人もいます。
フジテレビが改革案に掲げたように、アナウンス室の独立性が保たれ、本人が望むのであれば、今後もバラエティ出演はもちろん、今回のようなアナウンサー特番も放送されていくのでしょう。制作サイドはアナウンサーたちと十分なコミュニケーションを取った上で、視聴者を楽しませられる構成・演出を考えてほしいところです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。