通算勝利数は日本競馬史上10位で現役最多という名伯楽・国枝栄調教師
晴れて合格してもすぐデビューということは最近では少ない。レースで走るためには、まだまだ鍛えなければいけないということで、育成牧場などに出される。ゲート試験さえ合格していれば、仕上がった段階でデビューの予定を決めることができる。
昨年桜花賞を勝たせてもらったステレンボッシュは、5月の初めには美浦トレセンに入厩、1回目のゲート試験に合格し、2週間いただけで福島県のノーザンファームに放牧。乗り込みを重ねて7月初めに函館に移動し、23日のデビュー戦で勝つことができた。レース後はそのまま北海道の牧場でリフレッシュできたことで馬体も成長、秋2戦して12月の阪神ジュベナイルフィリーズで2着。賞金を加算できたので、福島県の牧場でじっくり調整、桜花賞に向けて早めに栗東へ移動して本番に備えることができたのだ。
彼女はすんなりゲート試験に合格したので、無理なローテーションを組むことなく、クラシックに向かうことができた。その一方、能力はあるけれどゲートはうまくないという馬もいる。
【プロフィール】
国枝栄(くにえだ・さかえ)/1955年岐阜県生まれ。東京農工大学農学部獣医学科卒業後の1978年から美浦・山崎彰義厩舎で調教助手。1989年に調教師免許を取得して1990年に開業、以後優秀調教師賞7回、優秀厩舎賞7回。主な管理馬はほかにブラックホーク、マツリダゴッホ、サークルオブライフ、ステレンボッシュなど。
※週刊ポスト2025年6月27日・7月4日号