国際情報

イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も

モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)

モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)

 イランとイスラエルの戦闘を巡っては、米国のトランプ大統領が停戦合意を明らかにしたものの、イスラエル側がイランからのミサイル発射への報復として、テヘラン近郊のレーダー設備を攻撃するなど、依然として緊迫した状況が続いている。そんななか、「世界最強諜報機関」と呼ばれるイスラエルの組織・モサドへの注目が高まっている。イラン軍高官や核開発要人などを相次いで「狙い撃ち」してきたモサドは、この戦闘にどう絡んでいるのか、また次なる標的はどこに定めているのか──国際ジャーナリスト・山田敏弘氏がレポートする。

 * * *
 6月24日、イスラエル政府は6月13日にはじまったイランに対する軍事作戦の成功を告げる声明を発表した。

「昨夜、ネタニヤフ首相は、国防大臣、IDF(イスラエル国防軍)参謀総長、モサド長官とともに安全保障内閣を招集し、イスラエルが対イラン『ライジング・ライオン作戦』の目標をすべて、想定以上に達成したことを報告した」

 この発表の中に、イスラエルが世界に誇る対外スパイ組織「モサド」(諜報特務庁)の長官という記述がある。今回の作戦に限らず、イスラエルが国外で実施するさまざまな作戦にはモサドが深く関わっているのだ。

 今回のイランに対するコードネーム「ライジング・ライオン」作戦も、モサドが入手したイランの「イスラエル殲滅」計画を食い止めることが最大の目的であった。

 モサドが2018年にスパイ工作で得たインテリジェンスによれば、イランは核兵器を製造して2027年にイエメンの武装組織フーシ派に核弾頭と弾道ミサイルを提供してイスラエルを攻撃。

 同時に、南部からはイランの軍事支援を受けるイスラム組織ハマスが、北部からはレバノンのシーア派組織ヒズボラがイスラエルへの攻撃を仕掛け、イランが長年主張してきたように「イスラエルを地図上から消し去る」という目的を実行する計画があったという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」