万引きで逮捕された米田哲也氏(87)
歴代2位のプロ通算350勝、19年連続2ケタ勝利といった数々の大記録を持つ元阪急などの米田哲也氏(87)が、今年3月に兵庫県尼崎市のスーパーで「缶チューハイ2本」を万引きした事件は衝撃をもって報じられた。米田氏は窃盗罪で略式起訴され、尼崎簡裁が罰金20万円の略式命令を出している。事件後、尼崎市内で初めて独占取材に応じた米田氏が当日の出来事について振り返った。【全3回の第2回。第1回を読む】
スーパーの事務所では、「店長が“警察を呼ぶよ”と言うから、“ええよ”と応じた」のだという。
──警官に罪を認めた?
「“間違いありません”と言うた。尼崎北署に連れて行かれ、留置場に2週間。3畳一間で何もなかった。いい経験だったよ。警察官から“もうしないか”と言われたので“しませんよ”と言うた。罰金20万円になったけどね」
──その罰金は。
「借りました」
──誰にですか?
「留置場に一緒に入っていた社長が貸してくれた。もちろん初めて会った人。出てから外で会って、無利子の借用書は書いたけどね。遺品整理の会社の社長で、仕事中に現金や小判が出てくるらしいね。儲かっている会社だから、そのうち(借りたお金は)くれるんじゃないかな」
そこまで明け透けに話せば、社長に厳しく返済を求められるのでは……。妻に叱られなかったのかと聞いても「いいや、何も言わない」との返答。ただ、“初犯ではなかったと報じられている”と問い掛けた時は、沈黙で応じるだけだった。
一方、約10年の家賃滞納との報道については、「うん、それは払っていない」とあっさり認める。
「大家さんはボクのファンだから。昨日もうちに来ていて、“出る時にまとめて払う”と言ってある。大家さんも“待ってるからね”と。だから“100万円ほど余計に支払うから”と言うてある」
だが、支払いのための貯金について聞くと「今はない」とキッパリ。
──生活は大変ですか?