「グラディアトル法律事務所」の代表弁護士・若林翔氏
話し始めは「なんか、仕事でモヤついていますか?」
この店の料金体系はシンプルだ。女性と一緒にホテルに入らない場合は、60分/1万円。買い物の同伴でも、レストランに食事に行くのでも変わらない。これらは「デート・コース」と呼ばれる。
一緒にホテルに入る場合や、客の自宅で行う「マッサージ・コース」は身体に触れる施術をするので、90分/2万円~。施術内容は、男性向けの性風俗店とさして変わらない。
まずはカウンセリングという名の雑談タイム。それが終わると、客の女性、セラピストの順番でシャワーを浴びる。初回は別々に浴びるが、2回目以降も指名があれば一緒にシャワーを浴びる。風呂から上がると、ベッドに女性を寝かせ、オイルマッサージとパウダーマッサージ。最後にメインのサービス、いわゆる性感マッサージを行う。
「簡単な講習で教わったのは、とにかく最初の雑談を大事にしろってことで、なんかホストと似ていましたね。まあホストはフリの客(初回の客)にプレゼントなんかしないけど、女風のセラピストは、飲み物を自腹で買っていかないとダメらしいです。
話し始めは『なんか、仕事でモヤついていますか?』と、質問するのがいいと。そしたら、お客さんは『なんで?』って質問で返してくるか、『そうそう』って勝手に喋り出すか、『全然、モヤついたことなんかないよ』の3パターンしかないじゃないですか。店長に言われた時に、なるほどって思いました。勝手に喋り出す以外の2パターンなら、『さっき、ため息ついてたから』でいけますもんね。自分がため息ついていたかどうかなんて、覚えている人はいないから」
丸山さんの話によれば、やり手のセラピストは雑談とシャワー、オイル、パウダーのマッサージで1コース90分のうち70分を消化し、残り20分から、身体の(性感帯から)遠い部分へのキスを始めるのだという。
「そうすると、実際にいちばん大事な部分に触れる頃には90分のタイムリミットがきちゃうので、ほとんどのお客さんは自動延長。延長は、60分刻みで1万円です。だから、1回延長入れば2時間30分で、3万円ですね」
悪くない時給に見えるが、もちろん、3万円がそのまま丸山さんの収入になるわけではない。彼は業務委託契約を交わしているので、売上は店と折半になる。