「解体業者を紹介するから、そこで日雇いをやって、残りの45万円を払え」
その後、2人の怖い男に連れられてATMに向かった丸山さんは1日あたりの上限額となる50万円を引き出した。母親が急いで振り込んでくれた20万円も合わせ、口座には約40万円が残っている。怖い2人の男に指示され、残った40万円は指定された口座に振り込んだ。ふたたび事務所に連れ戻されると、店長が手際よく和解書を差し出した。
「自分が店に与えた損害を賠償するために、150万円を払ったと書いてありました。それにサインさせられて」
しかし、この時点で丸山さんが払ったのは105万円で、45万円足りない。
「だから、和解書はまだ渡せないと言われました。解体業者を紹介するから、そこで日雇いをやって、残りの45万円を払えって」
長い1日が終わった時には、もう夕方になっていた。店長は、千円札と小銭だけは奪わなかったそうだ。