都議選で初当選した参政党・望月正謹氏(左/写真=共同通信社)
スピリチュアリズムの勃興も背景に
国民民主党が「手取りを増やす」というワンイシューで支持を伸ばしたのとは対照的に、参政党の場合、支持者ごとに関心のあるテーマが違うのが特徴と言っていい。
宗教学者で、政党と支持層の研究を重ねてきた島田裕巳氏の指摘は興味深い。
「現在のグローバリズムのなかで自分たちが虐げられているという漠然とした感覚を持つ人がかなりいる。世の中に不満や不安があるが、政治は滅茶苦茶で信用できない。昔は新宗教がそうした人々の受け皿になっていたが、いま新宗教は衰退してスピリチュアリズムが勃興している。そうした流れのなか、『世の中は間違っている』と訴えて政党として人々の不安や不満の受け皿になっているのが参政党なのではないでしょうか」
叩かれるほど支持が高まる理由もそこにあるという。
「スピリチュアルや陰謀論にはまる人などは、一方的な情報を取り入れて理論武装している。とにかく世の中は間違っていると考えているから、外からの情報や批判は信じない。むしろ批判を糧にして、自らが持つ情報の正当性をより強く信じるようになるから、運動体としてさらに伸びていきやすい。
ただ、神谷氏が主張する国体思想(天皇統治の正当性などを唱える思想)に、関心のない支持層も多いのではないか。外部からの批判よりも、組織が拡大して支持層とのズレが大きくなるとコントロールができなくなるかもしれません」
選挙後もしばらく目が離せない。
※週刊ポスト2025年8月1日号