不遇にもほどがある!(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
朝を彩る「三姉妹」の生活も大きく変わった。好調が続くNHK朝ドラ『あんぱん』。物語の舞台は終戦後を迎え、教師を辞めたヒロイン・のぶ(今田美桜)は死別した夫に教わった速記を武器に、地元・高知の新聞社で記者として忙しく働く。
ドラマの人気を支える鍵である朝田三姉妹のうち、三女のメイコ(原菜乃華)は東京に出る決意を胸に実家を出て、のぶの元に身を寄せながら女給として働き始め、恋愛に右往左往する日々。そんななか気になるのが、次女の蘭子(河合優実)が“燻って”見えることだ。
朝ドラ評論家の田幸和歌子氏が言う。
「出征前に結婚を約束した豪ちゃん(細田佳央太)が戦地から帰らず、勤めていた郵便局もクビになった。姉・のぶが結婚した際は『豪ちゃんはここにおるき』と気丈な笑顔を見せた蘭子ですが、彼女が引きずる“戦争の影”は三姉妹のなかでも一際濃いように見えます。蘭子の心の中にはずっと変わらず豪ちゃんがいるのでほかの相手との恋は正直、想像がつきません」
そんな蘭子の大ファンだと言うのが元NHKアナウンサーの内藤裕子氏。“朝ドラ受け”で始まる『あさイチ』レポーターも務めた彼女が言う。
「蘭子は控えめな性格で言葉は少ないですが、家族の幸せを陰で支える芯の強い女性。視野が広く、佇まいや仕草からも心に秘めた意志の強さを感じて惹かれています。
その蘭子が出征する豪から求婚され、『うち、豪ちゃんのお嫁さんになるがやき。もんてきてよ』と答えて気持ちを伝え合う回は朝から胸が熱くなり、涙が頬を伝いました。『あさイチ』メンバーの方も涙を流していましたよね」
その後、訪れた豪の戦死という過酷な展開には、「人生の儚さ」について考えさせられたと言う。
「『あんぱん』のテーマは『もう二度と戻ってこない“今”という時間をどう生きるか?』だそうです。愛する人を失った痛みを背負いながら、この先どのように自分の人生を生きていくのか。蘭子の幸せの行方を見守り、応援していきたいです。NHKさん、早く幸せにしてあげてください。蘭子~これからは幸せになるがやき!」(同前)
毎朝の楽しみは続く。
※週刊ポスト2025年8月1日号
作中でも良き先輩(C)NHK連続テレビ小説「あんぱん」NHK総合 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中