被告人は心菜さんと心中しようと計画したが、自分は死ねなかった(画像はイメージ、Getty)
その後、さらに薬を飲むことに決めた。手に乗せるだけ乗せ、水で流し込む。合計100錠以上は飲んだ。心菜さんのもとに戻り、再び抱きしめた。5分ほどで意識が遠のいていって、死ねると思ったという。
被告人が気が付くと、病院のベットの上だった。生き残った絶望感で、病院にいながらスマートフォンで薬を調べるなどもしたが、次に“実行”することはかなわなかったという。
検察官の被告人供述の読み上げは、合計で1時間ほどにもなった。法廷の大型モニターには、その供述調書が映し出されていた。被告人も目を逸らすことなく、文字を追い続けていたように思う。
第3回記事では、7月14日の公判で行われた被告人質問で、被告人が語った「娘の命を奪った絶望」と、今後の人生で「やりたいと思っていること」について報じている。
◆取材・文/普通(傍聴ライター)