防犯カメラ映像をSNSに晒し続ける(写真提供/イメージマート)

防犯カメラ映像をSNSに晒し続ける(写真提供/イメージマート)

「メッセージで動画を消すように伝えても無視され、弁護士を通じて開示請求も行いました。誰が発信しているかも分かり、警察にも相談しました。でも、かの人物はネット上の有名人で、何度も同じようなことを繰り返していると、刑事さんに教えてもらいました。裁判で負けても金も払わない、謝らない。だから訴えても厳しいかもしれないと」(団体職員の女性)

被害者だと居直った

 いずれもの例も、被害者が泣き寝入りを強いられる、残念な結末を迎えた。避けようのない被害でもあり、加害者をつきとめて責任を問うても被害者が救われない結末になりがちだ。そして、いったんそうした被害、加害が始まると拡散されて被害が再生産され、それを止めるのも相当に難しい。厄介なのは、そこに「報道」が加担してしまい、収拾がつかなくなっている例もあることだ。

「近所のお宅に、かなり問題のある人がいます。自宅前に設置した防犯カメラの映像を、毎日のようにSNSに晒すんです」

 関東在住の自営業の男性(60代)のすぐ近くに住む家の住人は、自宅前の「私有地」に通行人が「侵入している」と主張し、その侵入行為を「監視」すべく複数の防犯カメラを設置しているという。

「目の前が車一台通れるかと言う狭い通りで、駅への抜け道になっているため通行量が多いんです。通行人の一部が、間違って男性の敷地内に足を少し踏み入れただけでブザーがなったり、夜ならライトが光ったりして。私有地といっても素人が見てもわかりづらく、悪意のない通行人が続々晒されているんです」(自営業の男性)

 近隣住民の皆が困り果てているところに、事態がさらに悪化するようなことまで起きたと言う。

「例の家の住人が、主張する”被害”をテレビ局に売り込んだみたいで、テレビ局がニュースで取り上げたんですよ。不法侵入に悩む被害者だって。防犯カメラの映像と、住人の電話インタンビューだけでしたけど。普通、それは本当なのか確認してから放送しますよね。でも、テレビで報じられて住人は”自分は被害者だ”とますます居直っちゃう」(自営業の男性)

 防犯目的を理由に、全国各地の繁華街などに「防犯カメラ」が設置されはじめたころ、日本国民のプライバシーは守られるのかと議論になった。カメラ付き携帯電話が普及し始めたころ、勝手に撮影されたら気づけるようにと、大きなシャッター音が標準装備になった。そのくらい、撮影することに配慮する共通認識があったはずなのに、カメラ付きのスマホが普及し、SNSが発達した今、その気遣いはどこへいったのだろうか。いまは撮影だけでなく、「突如晒される」という、極めて防御が難しいリスクまで顕在化している。

 万一自身が被害に遭ったとき、パニックになったり自暴自棄にならないよう、その時にとるべき「冷静な対応」についても、理解しておく必要があるだろう。

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