リーダーズ・ダイジェストの中国語版が廃刊することに
60年にわたり親しまれてきたリーダーズ・ダイジェストの中国語版「読者文摘」が、2025年6・7月号をもって廃刊となることが明らかになった。台湾の中央通信社によると、発行元は「読者に残りの号の返金処理を早急に行い、改めて謝罪する」と発表した。
同社は中国語版「リーダーズ・ダイジェスト」の「休刊」について読者に「この象徴的な印刷版は間もなく廃止されます。出版を継続するためにさまざまな方法を試みたが、残念ながらコストの上昇により印刷出版モデルが持続不可能になり、このような難しい決断を下さなければならなかったことを非常に残念に思います」と通知した。
リーダーズ・ダイジェストは1922年、「すべての最高の記事からの抜粋」をコンセプトに米国で創刊号を発行しており、100年以上の歴史を誇ってきた。
中国語版は、1965年に香港と台湾で創刊され、「読者にとって世界への窓」として多くの支持を集めた。しかし、紙の出版はデジタルの波に抗するのが難しく、リーダーズ・ダイジェストの米国本社は2012年に破産を宣言した(事業譲渡で刊行は継続)。その一方で中国語版は台湾と香港で発行され続け、2023年8月から隔月誌として継続されていた。
リーダーズ・ダイジェストはアメリカ以外に世界100か国以上で、35か国語の52の版が発行され、かつては世界最大の定期刊行雑誌として、4000万人以上の読者を抱えていた。
紙媒体の限界が浮き彫りとなっているなか、また一つの時代に幕が降りたと言えそうだ。