夜逃げした「郷土料理 たち川」に、食品偽装があったという(左はinstagramより、右は従業員提供)
岐阜県揖斐郡池田町にある「池田温泉」。池田町が運営する温泉がある「池田温泉 新館」の2階、3階部分には、町が委託した「株式会社 たち川」が運営するレストラン「郷土料理 たち川」と高級ホテル「池田温泉旅館 たち川」が入っていた。
しかし現在、新館の入り口には〈事業を停止することとなりました〉と記された1枚の紙切れが貼られ、2、3階部分に人影はない。「株式会社 たち川」のオーナー・A氏は7月30日深夜、旅館から荷物を次々運び出し、夜逃げしていたのだ。
「株式会社 たち川」は町への施設利用料や、仕入れ先である生産者・納入業者への支払いが軒並み未納状態だった。さらに「郷土料理 たち川」の厨房担当だった・Eさんは、オーナーが「食品偽装を主導していた」と証言するのだった——。【全3回の第2回。第1回から読む】
〈ここ、池田温泉新館のお食事処「郷土料理たち川」では、地元の新鮮な食材を使用したお料理でみなさまをお迎えします。(中略)川魚料理、地鶏、地鶏卵、そば粉…池田町のおもてなしをぜひご賞味ください〉
すでに削除されてしまった「郷土料理 たち川」のホームページには、このようにある。1000円〜1500円ほどの定食や、5000円〜1万円程度の価格帯のコース料理を、来客と「池田温泉旅館 たち川」の宿泊客に提供していた。
しかし——「郷土料理 たち川」で料理を担当していたEさんは、「地元食材と謳いながら、食品偽装をしていた」と証言するのだ。