ある”違和感”がスクープに繋がったと語る川中さん

ある”違和感”がスクープに繋がったと語る川中さん(『日本中学生新聞』より提供)

「2023年のG7広島サミットがきっかけでした。小学6年生の修学旅行で被爆者から原爆の恐ろしさを聞いた広島でG7サミットが行われることを知り、各首脳の核兵器禁止条約への考えを取材したいと思ったんです。しかし、中学1年生だった僕は記者としての実績がない。だから記者申請のための実績づくりとして「日本中学生新聞」を創刊しました。最初は手書きの新聞を1000部印刷して、いろいろな所に配り歩きました。その後noteやX、YouTubeチャンネルも開設し、選挙を中心とした記事や動画を配信するようになりました」

──今回の参院選でも精力的に取材をされていましたね。

「僕は『日本中学生新聞』創刊後、“全ての候補者に話を聞く”、“忖度はしない”ことを自らに課して、関西地方を中心に選挙取材を行ってきました。今回の参院選では大阪選挙区(改選4)に出馬した19人の候補者全員を取材しました。その取材で、国民民主党から出馬した兵庫選挙区の多田ひとみ候補に確認したいことがでてきたんです」

きっかけは「選挙慣れしたある女性ボランティア」への違和感

──何か違和感があった?

「きっかけは、昨年11月17日に投開票された兵庫県知事選挙の取材です。当時、僕は斎藤元彦氏を含む7人の候補者全員の街頭演説などに足を運び、取材しました。

 選挙最終日の11月16日、西宮ガーデンズ前で行われた斎藤氏の街頭演説を取材したのですが、その時にメディアスペースの前で、レインコートを着てロープ持ちをしていたボランティアの女性がいました。彼女は聴衆の視線を遮らないようにしゃがみながら、『メディアの方はもっと端に寄ってください!』と呼び掛けていて、すごく選挙慣れしているなと感じました。いろいろな選挙を取材していると、ボランティアが不慣れな“素人”か、何度もやっている“プロ”か、すぐに分かるんです。ちょっと気になって、彼女の写真を押さえていたんです。

 選挙の後にTBSテレビの報道特集に映像を提供するため、撮影した写真や動画を確認したんですよ。でもやっぱりただのボランティアじゃないんですよね。その時、もしかしたら彼女自身も過去に選挙に出たことがあるんじゃないか、と。すごく印象的で、記憶に残っていました」

──その女性が多田ひとみ候補だったのですね。

「そうです。今年7月3日に公示された参院選挙の各選挙区の候補者の顔写真を眺めていて、国民民主党から兵庫選挙区で立候補している女性に見覚えがありました。あ、あの時の女性だ!と。これは絶対に取材をしなければと思いました。

 どこの政党でも党員になる際は、過去にどのような政治団体に所属していたか、どんな活動をしていたかを聞かれます。ましてや公認候補はより厳しい調査が行われるはず。特に国民民主党の玉木雄一郎代表は、これまで斎藤知事の公益通報者保護法違反について自身の考えを明言することを避けていました。多田候補が斎藤知事を支援していたことを知った上で公認したのか否か、玉木代表にも確認するべきだと思ったんです」

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