街頭演説で熱弁を振るう参政党の神谷代表(時事通信フォト)

街頭演説で熱弁を振るう参政党の神谷代表(時事通信フォト)

──参政党がここまで躍進するとは思わなかった。

「はい、危機を感じています。言いすぎかもしれませんが、個人的に参政党は“ネオナチ政党”だと思っています。僕は小学生の時から、政党や候補者の政策、公約のパンフレットを集めていますが、結党当時の『参政党Q&Aブック』には『小麦は危険』など、荒唐無稽なことばかり書かれています。現在は当時よりはまともな主張をしていますが、常に主張は二転三転するし、急に国民に寄り添う姿勢を見せ始めたのが参政党です。これはナチス・ドイツのヒトラーの手法とよく似ています。

 特に『主権は国にある』と書かれていた“改憲案”なんて、もってのほか。神谷代表は記者に『国民主権に関して書いてない』と問われても、『当たり前だから書いてない』と言うけど、今までその“当たり前”を侵害してきた歴史があるわけじゃないですか。実際に戦前の日本では、治安維持法で共産主義者を取り締まった過去もあります。そういうことが起きないように日本国憲法ではしっかりと国民主権を明記しているのに、ふざけた話だと思います。神谷代表は法学部卒業とのことですが、なおさら信じられません。もう一度憲法や法律の勉強をしていただきたいと思います」

──選挙中、参政党の神谷宗幣代表にも直撃取材をされていましたね。

「はい。でも、神谷代表には『フリーランスはちょっと』と取材拒否されてしまい、質問することすらできませんでした。しかも、その場にいた2022年の参院選、2024年の衆院選に参政党から立候補して落選した油谷聖一郎氏に体を押されて、その場から排除されてしまった。そこまでして記者に質問をさせない姿勢に恐ろしさを感じます」

心に響いた石破茂首相、岸田文雄前首相の言葉

──いい意味で、川中さんの心に最も響いた政治家もいますか?

「1人に絞るのは難しいので、2人挙げてもいいですか? 1人は石破茂首相です。大阪選挙区に立候補した自民党の柳本顕候補の応援に来られた時に直撃しました。僕は候補者や政党のトップに取材する時に必ず、『あなたの考える民主主義とはどういうものですか』という質問をしています。石破さんは『国民主権です。みんなが、自分が政治家になったら、どうするのかと考えて1票入れることだね』とはっきり答えてくれました。

 もう1人は、岸田文雄前首相です。岸田さんには昨年の衆院選の時に“突撃著書サイン時間稼ぎ作戦”で取材したのですが、その時にどうしても聞きたかった『核兵器禁止条約に日本は批准すべきだと思いますか』という質問をしました。岸田さんは『これには順番があるんです。今、核を持っている国がどこも参加していないから、まず参加させることを努力する必要があるので、日本はその準備が整ったら参加すべきだと思いっています』と答えてくれました。僕が日本中学生新聞を始めたのは、G7広島サミットで核兵器禁止条約についての考えを聞きたいと思ったことがきっかけだったので、これは僕の取材活動の原点に対する回答とも感じました」

──ちなみに、川中さんが最も尊敬する政治家は誰ですか。

「少し昔の方ですが、憲政の神様とされる尾崎咢堂(尾崎行雄、1858~1954年)です。彼の書いた『民主政治読本』(世論時報社)という本に『高い代償を払って買ったものは大切にするが、ただでもらったものは粗末にするのが人情だ』『この憲法は数百万の人の命と、数千億の戦費と、台湾、朝鮮、樺太、千歳等の領土と、無条件降伏という最大の不名誉を代償にして、やっと手に入れた宝である』といった内容が書かれていて、日本国憲法は大事にしなければいけない宝物なのだというメッセージに感銘を受けました」

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