子どもの”撮影係”だったという容疑者
タブレットでずっと子どもを撮っていた
「小瀬村先生とは業務上のメールのやり取りもしていましたし、顔も名前も覚えていました。何度か直接会ってもいるんですが、よくタブレットで子どもたちを撮っている印象があります。昨年9月に地区の集まりがあり、先生はそのとき2年生を引率していらしたんですが、ずっと子どもたちを撮っていたので、そういう係なのかと思っていました。
そういえば、私がラジオ体操の来賓として学校に行った時も、小瀬村先生がタブレットで体操する子どもを撮影していましたね。まさか教師が盗撮するなんて誰も思っていないけど、撮影係であればいくらでもそういうチャンスはあったでしょうね……」
事件後、横浜市は校内における不審な機器設置の有無などを点検するよう、市内の約500校に緊急指示。性被害対策を検討するため、専門家により構成された第三者委員会を設置するなど対応に乗り出した。横浜市教育委員会の不登校支援・いじめ対策課の担当者が話す。
「教員の逮捕が判明した翌日から、当該の小学校にはスクールカウンセラー1名とスクールスーパーバイザー(SSV)1名を派遣しました。スクールカウンセラーは普段は週1回の勤務なので、通常のスクールカウンセラーに加え、市から新たに1人を常駐させています。
普段いるスクールカウンセラーとは異なり、問題を分類して長期的展望でアセスメント(評価査定など)し、学校に元々いるカウンセラーや教職員に引き継ぐなどの役割をしています。SSVは児童のケアだけでなく、先生に対して児童とどう接したらいいのかなどを支援する役割といえます。
また『こころの健康観察』といって、支給されているiPadで、朝に5段階で自分の体調を評価し、コメントを入れることができるシステムも導入しております。毎日こうしたアンケートを担任の教師が見て、不調を訴えるなどあまりに低い体調評価が続くようなら、カウンセラーにつないで、聞き取りなどをする仕組みです」
この担当者によれば6月25日から7月11日までの相談者は8名。のべ15回の相談があったという。
行政が対応を急ぐ一方、保護者の不安の種は消えない。ある30代の母親は取材にこう漏らした。