スタジオゲストには池田美優(みちょぱ)、鬼龍院翔、タイムマシーン3号・関太(番組公式Xより)
配信やチケット収入を含むIPの柱に
ちなみに、地上波唯一のレギュラー怪談番組である『初耳怪談』(テレビ大阪)のYouTubeチャンネルは各動画が数十万回の再生数を記録するほか、大阪・関西万博でのイベント「初耳怪談EXPO2025」の開催も決定。
放送だけでなく「過去の作品を配信で見てもらえる」「イベントのチケット収入が得られる」など収益面のメリットも大きいだけに、IPビジネス(知的財産)を進めたいテレビ局にとって貴重なコンテンツとなっています。
かつて若年層にとっての怖い話は「修学旅行や部活動合宿などの宿舎で、夜に電気を消して盛り上がる」のが定番でしたが、最近は「プロたちによる質の高いエンタメとして楽しむ」ものに変わった感があります。怪談イベントや遊園地のお化け屋敷を見ても若年層が多いだけに、テレビ局にとって怖い話は課題である若年層の個人視聴率を獲得できるチャンスなのでしょう。
もちろん昭和や平成に怖い話を楽しんできた中高年層にとっても令和の再ブームは違った面白さがあるだけに、まだまだファンが増えそうなムードがあります。近年は猛暑続きだけに「背筋が寒くなる怖さで暑さを忘れてもらおう」という意図も含めて、まだまだテレビの怖い番組は増えていくのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。