クマを仕留めた時の様子
「もちろん1発では死にません。40〜50メートルを保って、2発、3発と続けて打ちましたが、なかなか仕留められない。足をやられたクマがどう動くか注視していると、なんと前足だけで木の上に登ったんですよ。とにかくものすごいんです、筋肉が。
しかしダメージもあり、そのあと地面に落ちてきた。それまで頭や腰に6発ほど撃ち込んでいるんですが、なかなか死なない。最終的には頭になんとか弾を入れられて、動かなくなりました。
日が沈みははじめていたので、ガイドと相談して翌日に死亡を確認することにした。夜に『まだ生きていたらどうしよう……』という考えが頭をよぎりましたが、翌朝、あらためて山に行くと死んでいてホッとしました」
男性は昨今のクマ被害についてもこう私見を述べた。
「平取町も羅臼も、どこにいるクマだって危険です。北海道に行ったら、林や山があるところにはどこでもクマが出ると思ったほうがいい。エサやりをしたとかいう報道もみましたが、本当に愚かだと思う。
クマはハンターでもむやみに近づかない生き物です。銃があったってヤバいと思ったくらい。クマよけスプレーやクマ鈴だとか言わず、気配を感じたら迷わずに逃げるべきでしょうね。野生をなめない。これに尽きると思います」