法廷で争う際には「証拠」の“強さ”が重要だという
「浮気の証拠には『強い』『弱い』という概念が存在する」──第1回でそう明かしたのは、浮気調査をして15年、手がけた件数が累計1000件を超える探偵・小沢氏だ。いわく、法廷で有効な浮気の証拠には、言い逃れできるかできないかを分ける「強弱」があるが、“一撃KO”となる超強力なものもあるという。
ちなみに日本には「探偵業法」(『探偵業の業務の適正化に関する法律』)という法律があり、依頼を受けた探偵が特定人の所在または行動についての情報収集として張り込みや尾行、聞き込みなどをおこなうことは業務として認められている。
そんな中、特に“アグレッシブな調査を武器とする小沢氏が、浮気証拠の調査の極意、さらには裁判で目標を達成させるために必要な要素を解説する。小沢氏の著書『事件はラブホで起きている』(二見書房)から一部抜粋して再構成。【全2回の第2回】
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一撃KOとなる強い証拠を押さえる
例えばラブホテルであれば、一般的な探偵会社の調査員は、せいぜい建物や敷地内へ入って行くところまでしか撮影しない。
だが、僕は普通にラブホ内でふたりで一緒に部屋を選んでいる様子や部屋へ向かうエレべーターにふたりで乗り込むところ、場合によってはフロントで料金を支払っている様子まで撮影する。
また、ビジネスホテルや温泉旅館であれば、一般的な探偵会社の調査員は、せいぜいチェックインの手続きをしているところまでしか撮影しないだろう。
だが、僕はビジネスホテルの部屋番号まで特定してふたりがドアを出入りする瞬間まで撮影する。温泉旅館であれば、探偵である僕も一緒に宿泊し、ふたりが一緒に温泉に行く様子や夜中に一緒に部屋に入っていくところはもちろん、翌朝の朝食バイキングの様子まで撮影する。
こういった踏み込んだ撮影は非常にリスキーであることは当然だけど、対象者に気づかれずに証拠を押さえるのは至難の業。だが、事なかれ主義の探偵会社の調査員とは違い、私立探偵である僕は必要な場面ではリスクを背負ってでも、超攻撃的・超アグレシッブな調査を行なうことで、1回の撮影でも十分なレベルの強い証拠を押さえることができる。
「強い証拠」というのは、いかに相手の言い訳(抗弁)を潰せるものであるか──に尽きる。
裁判ではすべての状況や証拠が、客観的かつ総合的に判断される
さらに実用的な話をしておきたい。
不貞行為の認定において、裁判実務は決して「強い証拠の有無」だけで決まるという単純なものではない。もちろんラブホテルの出入りなどの強い証拠であれば「一撃KO」も可能だけど、裁判ではすべての状況や証拠が、あくまで客観的かつ総合的に判断される。
「弱い証拠は使えない」のはあくまで「単体」での話。弱い証拠であっても、 ほかの証拠と組み合わせることで有効性が高くなるケースもある。つまり、仮に強い証拠を押さえることができなかったとしても、直ちに負けというわけでは決してない。