クマ出没注意(写真提供/イメージマート)

クマ出没注意(写真提供/イメージマート)

飼い犬がクマにやられて顔が血だらけに

「これまでクマは、よほどのことがなければ人を襲ってこなかった。あっちだって人間が怖い。でも今のクマは違う。すぐに逃げなくなった。人間を見るのが初めてではないんだろう。こっちが動きを間違えば一瞬で向かってくる」

 今までは人間を見つけると向こうから立ち去っていたが、今のクマは逃げないというのだ。

「先日は県境の山の中でクマと出くわした」というが、それは山奥ではなく道路脇近くだったという。

「気が付いた時には7~8メートル先にクマがいた。こっちを見ているので、オレも動かずクマと睨みあった。あそこで動いていたら襲われただろう。クマが背を向けて離れていったからよかったが、にらみ合った数分間は生きた心地がしなかった」と話す。

 K氏の周りでも、住宅街や別荘地でクマに出くわした、目撃したという話が増えているという。

「クマが出たとニュースになった地域周辺の家で、高齢男性が裏の畑で飼い犬を連れて農作業していたら、犬がクマにやられて戻ってきたと聞いた。林にむかって犬が吠えたので、リードをはずしたら、そっちに向かって飛び込んでいった。キャーンという叫び声が聞こえて犬は戻ってきたが、クマの爪でやられたらしく、顔が血だらけだったそうだ」。いつまたクマが出るのか恐ろしいが、クマよけとなる有効な対策はないらしい。

 K氏は毎年お盆過ぎになると、キノコ採りに栃木や福島の山に入る。しかし酷暑のせいか、今年はキノコがほとんど生えていないという。「暑さで山に実る果物の出来もよくないようだ。どんぐりなどの木の実はまだ熟していないし、山の中にクマが食べてきたような食物が少ないんだろう」。

「これまで人間はクマの住む山奥に入り彼らの生活を脅かしてきた。今は彼らが人間の住む街に降りてきて生活を脅かしている」というK氏。

 人里だけでなく住宅街にもクマが出る。クマの住む場所と人間の住む場所の間にあったはずの緩衝地帯がなくなったからだといわれる。どこがクマとの隣接地域なのか、クマの出没で初めて人間にはそれがわかる。目撃や出没情報のある近隣住人や山に入る人々には、避難訓練や防災訓練ならぬクマ被害対策シミュレーションが必要な時代になってきたようだ。

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