「写真集の撮影を経て、撮られることにも慣れてきたような気がします」

『週刊ポスト』でグラビア撮影に臨んだ渡邊渚さん

「私は消えない」

 ちなみに、1か月からっぽになって良かったことが2つある。まず、交友関係が広がった。

 時間も心もからっぽになったことで余裕が生まれて、他者の優しさや悲しみ、苦しみを受け入れることができるようになった。実は同じ気持ちや経験をしている人が多くいることに気づけたし、支え合える人にも出会えた。無から生まれる新しい縁はたくさんあった。

 それにもう1つ。からっぽになると、言葉や書きたいことがどんどん浮かぶ。これは書き手にとっては結構重要なこと(笑)! 今回のエッセイも、からっぽな夏休みを過ごさなければ書けなかった。なんだかんだ、からっぽも仕事に繋がった。やっぱりからっぽって、最高だ。

 だからこれからは、恐れずにからっぽになろうと思う。どれだけからっぽになっても、私は消えない。からっぽだからこそ気づけたことを大切にして、やわらかくしなやかに生きていこう。そんな決意が生まれた夏休みになった。

【プロフィール】

渡邊渚(わたなべ・なぎさ)/1997年生まれ、新潟県出身。2020年に慶大卒業後、フジテレビ入社。『めざましテレビ』『もしもツアーズ』など人気番組を担当するも、2023年に体調不良で休業。2024年8月末で同局を退社した。今後はフリーで活動していく。1月29日に初のフォトエッセイ『透明を満たす』を発売。6月には写真集『水平線』(集英社刊)も発売。渡邊渚アナの連載エッセイ「ひたむきに咲く」は「NEWSポストセブン」より配信していきます。

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