チームには多くの不安材料が
MLBのレギュラーシーズンが佳境を迎え、大谷翔平のドジャースはナ・リーグ西地区の優勝マジックが点灯しているものの、ポストシーズンまで見据えれば不安材料が多い。
チームとしての戦いに粗が目立ち、8月最後の3連戦となったDバックス戦では無死2、3塁の場面で大谷が外野フライを打つもキケ・ヘルナンデスが本塁にスライディングせずタッチアウトに。怠慢プレーで大谷の犠牲フライにならなかった。8月のドジャースは14勝13敗と貯金は1つしか増やせなかった。
8月の大谷は7本塁打、12打点、4盗塁、打率.306と打撃面で貢献。投げても4試合に先発して、レッズ戦(27日)では749日ぶりとなる白星を飾った。
ナ・リーグ西地区の地区優勝争いではパドレスをリードするものの、チームメイトが大谷の足を引っ張るような状況では、ポストシーズンでの戦いに不安が大きいとするのは『完全メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』の編著者で、スポーツライターの友成那智氏だ。
「チームに若い選手が少なく、ベテランと中堅が多いので疲れが出ているんでしょう。33歳になったキケ・ヘルナンデスは2~3年前の自分の足の速さと今の速さの違いがわかっていない印象です。集中力が欠けるプレーが多いですね」
友成氏は「さらに足を引っ張りそうなのはセットアッパーとクローザーをめぐる不安」だと続ける。
「勝ちゲームをリリーフがひっくり返される展開が目立ちます。ベシアという最高のセットアッパーが故障者リスト入りしたし、4年総額7200万ドル(約106億円)という大型契約で獲得したクローザーのスコットは故障者リストから復帰したもののDバックス戦で3ランを打たれ、山本由伸の12勝目をフイにした。防御率4点台のクローザーなんてあり得ないですよ。
ベシアもセットアッパーでは活躍していたが、クローザーにすると2試合連続でセーブが吹っ飛んだことがあった。一時は引退も決意した36歳のトライネンをクローザーに回しているが、いつまで持つか。
8月の戦いぶりを見ても、ドレイヤーやカスパリウスといったロングリリーフで逃げ切るパターンが目立ち、救援投手にセーブのついた試合は8月26日のレッズ戦のスコットだけ。8回以降、いかに試合をひっくり返されているかがわかります。しかもナ・リーグ西地区最下位ですでに100敗しているロッキーズと4位のDバックスに負け越し、ア・リーグ西地区4位のエンゼルスにも3タテを食った。大したチームとは対戦していないのに貯金1ではね……」