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受刑者殺害で逮捕された無期懲役囚 性的暴行事件の裁判で語っていた「ボリビア首絞め強盗」理論 裁判官が厳しい質問で声を荒らげる場面も

千葉県警察本部庁舎(時事通信フォト)

 千葉刑務所で服役している男性受刑者が水筒で殴られ死亡した事件で、千葉県警は8月27日、同刑務所に服役中の那須野亮(まこと)容疑者(46)を殺人容疑で逮捕した。那須野容疑者は同月24日の午前7時5分ごろに、刑務所内の共同室で寝ていた藤江彰受刑者(51)の頭部などを水筒で殴り死亡させたとみられている。

「水筒で頭を思いっきり何度も殴りました」と、容疑を認めている那須野容疑者は2006年に性的暴行を加える目的で同じアルバイト先の女性宅に侵入、首を絞めて女性を死に至らしめたという事件を起こし、無期懲役囚となっていた。2007年6月、東京地裁で開かれた裁判で彼は、今回と同様に事件を起こしたことは認めながらも、その言い分に裁判官も声を荒らげる一幕があった。【前後編の後編。前編から読む

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 事件2日前に那須野容疑者と飲みに行った同僚は「酒を飲んだ時、那須野はAさんの話ばかりで『Aさんと一発ヤリたい』と異様な目つきで言っていた。レイプするかもしれないと感じ恐ろしくなった」と調書に語っている。

 今回の刑務所内での殺人事件同様、那須野容疑者はこのときも逮捕当初から犯行を認めていたが、のちに開かれた公判では「殺意を持って首を絞めたという点は違う」と主張し、殺すつもりがなかったという証言を繰り返した。曰く「ボリビアの首絞め強盗」の記事をインターネットで読み、手で首を絞めれば失神させることが可能だった、というのである。

 被告人質問でも、このインターネットで読んだボリビア強盗の話を根拠にしながら「(相手の)力が抜けるとき、自分も力を抜けばいいと思っていた」と、独自の首絞め論を展開し、「強い力は危険だと思っていたので力を抑えて絞めようと思った」と、あろうことか“配慮”した首絞めを行なっていたと語った。

 さらには、Aさんを酔わせるためのワインも「酒に弱いと聞いていたので度数の低いものを選んだ」と明かしたほか、「ナイフではなくハサミを持って行ったのは、間違って怪我をさせてはいけないと思ったから」などと、陰湿で身勝手極まりない行為にもかかわらず、さまざまな“配慮”のもとに実行したと、信じがたい証言を続ける。

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