『SEIMEI』でコラボ演技を披露した野村(左)と羽生(ノッテ公式Xより)
ノッテ実現に一役買ったA氏
A氏はアイスショーの興行が専門ではなく、もともとは日本テレビの番組に携わる映像ディレクター。羽生との関係は長年にわたる。
「初めは取材者と取材対象者という関係性の2人でしたが、東日本大震災の取材などを通して羽生さんとのかかわりを深めていきました。次第に羽生さんだけでなく、羽生さんの家族からも絶大な信頼を得るようになりました」(日本テレビ関係者)
羽生が「神様」「お師匠様」と崇める狂言師の野村萬斎(59才)と引き合わせたのもA氏だったという。
「いまや代表作となった『SEIMEI』を2015〜2016年シーズンに演じるにあたり、羽生さんと野村さんの対談をセッティングしたのがA氏だといわれています。今年のノッテで2人の初共演が実現したのもA氏の手腕でしょう」(前出・日本テレビ関係者)
羽生は2014年から2022年まで毎年、日本テレビ肝いりの『24時間テレビ』に出演していた。
「これもA氏との関係性によるところが大きいといわれています。いつしか羽生さんサイドと連絡を取るには、A氏を窓口にしないといけないという暗黙の了解が出来上がりました。もちろん、その方が話がスムーズに進む側面もありました。
一方で、“羽生さんがこう言っているから”と言われてしまえば誰もA氏には反論できず、一部スタッフの間ではA氏の言うこと=羽生さんの意思と捉えるようになっていきました」(前出・日本テレビ関係者)
ノッテの実現にもA氏が一役買ったという。
「3.11を風化させないためにどのような取り組みが出来るのか議論や模索を重ねた2人は、『アイスショーを宮城で実施してはどうか』という結論に至ったそうなんです。それがノッテ公演の開催につながりました。羽生さんからすれば、“A氏なくしてノッテは実現しなかった”という気持ちでしょう。限られた人にしか心を開かない羽生さんにとって、A氏は“心から信頼できる仲間”のひとりなのです」(前出・日本テレビ関係者)
被災地のためにという羽生の思いを形にしたと評されるA氏だが、一方で、前出のノッテ関係者が指摘する“スタッフへの対応”が問題視されていた。ハラスメント事案に詳しい、しいの木法律事務所の萩尾健太弁護士が解説する。
「職場において行われるパワハラには、(1)優越的な関係を背景とした言動で、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるもの、という3つの条件がすべて満たされたものが該当します。運営幹部がスタッフに対して理不尽に机を叩いたり声を荒らげるようなことを故意になした場合、その3条件を満たす可能性はあると思います」
本誌『女性セブン』が取材を進めると、ノッテに関する複数の内部資料が関係者からもたらされた。そこにはA氏をめぐる、過去のノッテでの言動が記されていた。
※女性セブン2025年9月25日・10月2日号