『ここがヘンだよ日本人』などのバラエティ番組で活躍していたゾマホンさん(共同通信)
今年8月に横浜で行われたアフリカ開発会議(TICAD9)が何かと話題になっているが、日本で暮らすアフリカ人は少なく、普段は話題にのぼることも少ない。そんななか、1990年代に西アフリカ・ベナン共和国から来日して討論バラエティ番組『ここがヘンだよ日本人』(TBS系)で、アフリカ人の存在感を強烈にアピールしたゾマホンさん(61)。
来日して32年、妻子をベナンに残して日本で活動している彼は現在、中央線沿線のアパートで一人暮らしをしていた。本人に話を聞くと、来年1月にベナンで行われる選挙への出馬を視野に入れていることを明かした。【前後編の後編。前編から読む】
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1998年の『ここがヘンだよ日本人』に出ていた頃は中央線沿線の高円寺に住んでいたけど、2012年から2016年まで駐日ベナン大使を務めていたので、そのときは高円寺を離れました。駐日ベナン大使を辞めてから、また中央線沿線に戻ってきました。生活はあまり変わらない。今もアパート暮らし。シャワーは付いてるけど、“ボロ”アパートといっていい。家賃は5万円ちょっと。今も節約生活。貯めたお金はベナンのために使っています。
『ここがヘンだよ日本人』の企画で、『ゾマホンのほん』『ゾマホン、大いに泣く』(河出書房新社)という2冊の本を出しました。僕の貧しい生い立ちやベナンでの苦学生時代、日本での節約生活、人生に対する考え方、日本のこと、ベナンのこと、アフリカのことなどを書きました。これらの本の印税でベナンに学校を作る、という企画でした。本を出したら、2冊で合計約30万部売れて、印税が約3000万円入ってきました。ビックリしたよ! そのお金でベナンに「たけし小学校」「江戸小学校」「明治小学校」を作りました。
学校は今もちゃんと運営されていますよ!
僕が建てたけど、国に寄付しましたから、運営はベナン政府がしています。僕はこうしたことを認められて、2001年に国際青年会議所から世界最優秀青年賞、2002年にベナン政府から国民栄誉賞をいただきました。