黒のバケットハットを被って出かける場面も
──将来のビジョンが違ったということでしょうか。
「彼の方が年上というのも大きかったと思います。この先、家族で落ち着いた生活を望む彼と、あと20年は現役バリバリで歌っていたい私との間に、ギャップがあったように思えます。
最近は新しいファンの方たちが増えてきたり、少しずつ昔のお客さんもまた来てくれるようになったりしています。本当に47都道府県ツアーに挑戦したり、その先を見据えた活動をしたりする50代を私は思い描いているんです」
──いま改めて、新しい挑戦をしてみたいと思うようになったのはなぜでしょう。
「今の自分の熱量は、デビューした20代前半の頃と似ているなって感じているんです。その熱量を50代の私が持っているっていうのは大切にしたい。きっと、30代、40代前半ぐらいまでは、子育て優先で音楽をするのが難しい時期があった。その頃の自分がやり残した分を取り戻すように、少しずつ真剣に音楽に向き合っていきたいんです。
最近はロック以外の音楽にも取り組んでいて、もしかしたらもっとキャリアを重ねた時に、かつてロックをしていた自分と今の静かな音楽に取り組んでいる自分が繋がる気がしていて。だからあと20年はこの熱量のまま、音楽を続ける自分を大切に育てていきたいんです」