濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
和歌山県で男性信者のAさん、Bさん2人に自殺をそそのかし、死亡させたなどとして逮捕された自称占い師・濱田淑恵被告。その信者である滝谷奈織(なぽり)被告は自殺ほう助などの罪に、寺崎佐和子被告は有印私文書偽造・同行使などの罪に問われ、それぞれ逮捕・起訴されていた。そして9月10日、滝谷、寺崎両被告の第2回公判が大阪地裁で開かれた。
滝谷被告らは、“創造主”を自称する濱田被告の強いマインドコントロール下にあったとされる。初公判では、事件にいたるまでの大まかな経緯として、死亡した2名以外にも、濱田・滝谷両被告らも一緒に自殺を目的として入水していた事実などが検察官により立証された。その目的は、「死んで魂になることで濱田被告の愛人を正常に戻すため」という、なんとも不可解なものだった。
第2回公判では、滝谷被告、寺崎被告の被告人質問などが行われた。濱田被告の異様な言動と精神的支配の様子、それに対して抗えない信者たち、そして何より被害者遺族の無念さが何より明確になった。裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第1回】
事件後になされた笑い声も混じる会話
AさんとBさんの自殺を幇助したとされる滝谷被告、そして被害者の遺書を偽造したなどとする寺崎被告は、同日別時間に公判が行われた。
滝谷被告の公判では、事件後に濱田被告が滝谷被告ら信者と会話した際の、録音素材が法廷で流された。約10分にわたる音声には不明瞭ながら、濱田被告と信者たちとみられる複数人の会話が記録されていた。
「一つ間違ったら、こいつも死んでました」
「あいつら役割終わった」
「やばいな名場面、宇宙の名場面!」
「この世で殺人をすると…いやいや、やってないやってないって、濡れ衣だー」
事件当時の様子を信者に語り聞かすように、そして時折、笑いながら語る様子が残されていた。その後、輪廻転生をテーマにしていると思われる日本の歌謡曲を合唱するという、不気味さを感じさせる音声だった。この日の裁判後には、傍聴していたAさんの遺族が会見を行い、その怒りを露わにしていたが、それも当然と思えるものであった。