六代目山口組の司組長(時事通信フォト)
10年にわたる分裂抗争を一方的な宣言で終結させた六代目山口組が、今度は組織人事で世間を賑わせている。9月、司忍組長、高山清司相談役(前若頭)、竹内照明若頭の出身母体である弘道会で12年ぶりに代替わりが行なわれ、野内正博四代目会長が誕生したことがわかったのだ。実話誌記者が語る。
「弘道会の先代会長を務めていた竹内若頭は“総裁”職に就任することがわかりました。竹内若頭は“七代目山口組組長”最右翼と見られている人物。その弘道会で代替わりが進んだとあればついに『竹内七代目就任の準備は整った』と見られてもやむを得ないでしょう」
弘道会は近年の山口組を語る上で切っても切れない存在だ。元々、司組長が立ち上げた組織で、二代目会長は高山相談役、そして三代目会長は竹内若頭。出身者が六代目山口組のナンバー1、2を長年占める名門組織となった一方で、2015年に生じた山口組分裂の一因も組織における弘道会の強い影響力への不満があったとされる。
分裂して生まれた神戸山口組、絆會は、「中には『抗争相手は六代目山口組ではなく弘道会だ』と語る幹部もいる」(前出・実話誌記者)といい、警察関係者もこう警戒を示す。
「神戸山口組は六代目側の一方的な抗争終結宣言以降、5ヶ月近く表立った動きを示していないが、かといって解散への動きが確認できているわけでもない。どの組織もそうだが、代替わりは不満を抱く人物が現れるもの。それだけに警察は抗争中と同じレベルの警戒を見せている」
9月18日にも兵庫県公安委員会が六代目山口組と神戸山口組に対する特定抗争指定暴力団の指定を3カ月延長すると発表した。期限は来年1月6日までとなり、警察側も代替わりへの警戒を示している証左とも言えるだろう。