記録更新がかかる大の里
秋場所14日目は大の里が勝ち、豊昇龍が敗れると、大の里の昇進後初となる優勝が決まる状況だったが、豊昇龍が若隆景戦の立ち合いで変化してはたき込みで勝利。優勝争いは横綱同士の千秋楽決戦に持ち越された。
13勝1敗に星を伸ばした大の里だが、14日目は対戦相手の大関・琴櫻が「右膝内側側副靱帯損傷」の診断書を提出して休場したことによる不戦勝となった。あわや不戦勝での優勝決定となるところだったわけだが、豊昇龍のまさかの変化で免れた。協会関係者が言う。
「琴櫻は前日の豊昇龍戦で膝を痛めたことによる休場だったが、当日朝まで出場する予定だったため休場届が提出されたのは午後1時過ぎに。そのため取組を組み直す『割り返し』もできず、結び前の取組が不戦勝となった」
大の里は相撲を取ることなく優勝に1歩近づいたわけだが、その一方で「ある大記録」の更新をめぐっては足踏みすることになってしまった。
それが1場所での懸賞獲得本数の史上最多記録の更新だ。大の里は13日目までに獲得した懸賞が519本(3114万円=1本6万円で計算)に達しており、自身として初めて3000万円を超えた。
「これまで1場所で獲得した懸賞の最多本数は2015年初場所、当時の横綱・白鵬が15戦全勝で獲得した545本だった。当時は手取りが5万6700円だったので金額は約3090万円。1場所あたりの獲得金額では大の里が記録を更新したが、今場所中に本数でも抜くことが有力視されていた」(前出・協会関係者)