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《へずまりゅう氏も参戦》日テレの奈良公園シカ報道が炎上 「やらせ要員の利用」など根拠のない情報が拡散の一方、取材の”浅さ”を指摘する声も出る

奈良公園のシカは国の天然記念物に指定されており、危害を加えると文化財保護法違反などに問われ、過去には逮捕者も出ている(写真提供/イメージマート)

奈良公園のシカは国の天然記念物に指定されており、危害を加えると文化財保護法違反などに問われ、過去には逮捕者も出ている(写真提供/イメージマート)

 夕方の報道番組「news every.」(日本テレビ)での奈良公園シカ報道をめぐり、番組公式ホームページで「誹謗中傷や迷惑行為等を行うことは、厳に慎んでいただきたくお願い申し上げます」と声明を発表する異例の事態が起きている。これまでも何回か、報道内容が炎上してきたことはあったが、今回の事例は少し質が違ってきたように思うと報道に関わる人たちは言う。ライターの宮添優氏が、現役のテレビ局報道スタッフたちが、何を警戒しているのかについてレポートする。

 * * *
「奈良のシカ」に関する報道を巡って、個人情報が詮索され、関係者が誹謗中傷されたり、陰謀論めいた誤情報がSNS上を飛び交う事態になっている。民放キー局記者が解説する。

「日テレ系のニュース番組で、奈良公園内に生息する鹿に外国人が危害を加えているのか、検証するVTRが流れました。園内のガイド女性や近隣の飲食店で働く男性が登場し、そのようなシーンを”見たことがない”と答えたのに対し、これはテレビの”やらせ”ではないのかという指摘がSNS上で相次ぎました」(民放キー局デスク)

 数年前のマンション火災がニュースとして報じられたとき、ネットで流布された荒唐無稽な”やらせ”疑惑が浮上した。その疑惑は否定されたはずなのに、やらせは存在し今も続いていると掘り起こされたのだ。

「何年も前、マンション火災を伝えるニュースに住人として某局の記者が出演したことがありました。実際にマンション住人だったからインタビューされたのですが、放送の一部を切り取ってニュースの”やらせ要員”と決めつけた投稿がSNSで拡散された。のちに言いがかりだという認識が広まり沈静化したのですが、今回のガイド女性が、その記者に似ているというデタラメな指摘が拡散し、またもやらせ要員が利用されたと根拠のない噂となって広がった。その後、ニュース映像に登場した人たちのSNSが特定されたり、関係先店舗のネット上の口コミサイトが荒らされるなどの個人攻撃が続いています」(民放キー局デスク)

 そして「奈良公園の鹿を守る」と宣言し独自の活動を行ってきた元迷惑系ユーチューバーで現在は奈良市議のへずまりゅう氏が、「偏向報道」という言葉を添えて「ガイド10年の表記については間違いで取材に応じた女性は2年間人力車のお仕事をされております」と投稿したことで、事態はさらに混乱が深まり悪化した。別のネットインフルエンサーが証拠とともに、女性のガイド歴が10年に及ぶのは真実だと指摘するが、炎上を続けたい人たちは嘘だと決めつけるか、無視するような態度を貫いている。

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