事件直前にAさんに対する名誉毀損で裁判が行われていた

「長男におやつをあげたかった」

 事件を起こした日について移る。公判初日に検察官が冒頭陳述で述べた事件の概要に沿うと、橋本被告は当日、AさんとBさんが住む家にクワを持って侵入した後、Bさんと鉢合わせて揉み合いになり、AさんとBさんに制圧されたあと通報されている。

 しかし橋本被告は法廷で、事件当日の行動について「長男におやつをあげたかった」ことがBさん宅に訪問したのが理由だとして、Aさん、Bさんへの殺意を否定した。クワを持ってやっつけようとした「悪い奴」は誰なのかという問いに対しては、名誉毀損罪の有罪に関与した裁判官、検察官、逮捕時に強引に押しかけた警察官、そしてAさんの代理人弁護士だとした。

 またクワを用いた行為を行った理由は、人に見られたらどうしようという不安の中で、突然Bと遭遇し、Bが声を挙げたことで「危害を加える気などなかったのに戦闘開始みたいになった」などとした。

 当時は精神的不安定であったこともあり、そこから記憶が一気に断片的になったと供述する。うっすら覚えているのは、視線の先に子どもが見え、漠然と「この子が血の通った自分の子ではないか」と思った場面と、気付いたら目の前に刃先が見えてBから叫び声とともに目の下を切られ、痛さで失神した記憶のみであった。

 被害者であるAさんとBさんの証言内容とも矛盾する点があると指摘されると、「(Aさん、Bさん)両名は嘘をついている」と主張した。

 捜査機関の取調調書には、「強い殺意を持ってA、B宅へ向かった」、「性風俗店で働くのが情けなく思って死のうとしたが、A、B、Aさんの代理人弁護士があざ笑うのが浮かんだので天罰受けて欲しい」などと残っているが、いずれも記憶がないなどと主張。取り調べ当時は記憶が曖昧な中で答えており、証拠書類を見て当時を思い出してから答えている公判での内容の方が正しいと主張した。

 橋本被告が精神状態が悪化した理由について、離婚をめぐる一連の動きが原因だと主張していることは前述の通りだ。しかし、橋本被告の精神状態については幼少期の経験が根底にあるという。

 後編記事では、法廷で語られたハッシーの過去の「2度の自殺未遂」や、知られざる“特殊な家庭環境”について詳報する。

後編に続く

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