解散総選挙になれば高市自民はどうなるか(時事通信フォト)
「公明党の離脱によって自民党は窮地に陥った」――どのメディアも判で捺したように高市早苗・新総裁率いる自民党が崖っぷちにあると書き立てている。公明党の選挙協力が失った自民党は、解散総選挙となった場合、大敗すると予測するメディアが多いのだ。しかし、実は新聞・テレビが報じない衝撃の予測が存在している。解散総選挙で自民党が単独過半数に復帰するというのだ。一体何が起きているのか。【全3回の第2回。第1回から読む】
公明党離脱で保守票が戻ってくる
本当に大メディアが予測するように、解散総選挙になれば高市自民は大敗するのだろうか。
「公明党との選挙協力解消は自民党に不利というのは間違いです」と指摘するのはノンフィクション作家でジャーナリストの門田隆将氏だ。
門田氏は3年前の参院選での自民の当選者で唯一、公明の推薦を“拒否”し、次点の候補にダブルスコアをつけて大勝した小野田紀美・自民党参院議員(岡山選挙区)のケースを挙げる。
「保守層の有権者には、安保・防衛政策や対中国政策が全く違う自民と公明が連立を組んできたことをおかしいと考え、自民から離れている人が少なくない。小野田氏が公明の推薦を断わったことで、そういう層の票を得たと見ていい。事実、小野田氏は公明推薦を受けた1期目の選挙より、公明推薦を拒否した2期目の選挙のほうが次点との票差を8万票ほど広げた。
しかも、公明の集票力を見ると、2005年総選挙の比例代表得票で約898万票を獲得したのをピークに減り続け、今年の参院選では約521万票と大きく落ちている。高市氏は保守路線を鮮明にしているだけに、今回の公明の連立離脱で自民は公明支持者の票を減らすだろうが、自民に戻ってくる保守層の票は確実に増える」
自民党は昨年10月の総選挙と今年7月の参院選に立て続けに大敗し、衆参で過半数を失った。最大の敗因は「自民支持層の自民離れ」とされる。
参院選比例代表の得票推移を見るとそれがはっきりわかる。
石破政権で行なわれた今年の参院選の自民得票数は1281万票で、1826万票だった岸田政権時代の2022年参院選より545万票減らし、2011万票を獲得した安倍政権下の2016年参院選より730万票も減らした。
高市総裁の就任でそうした支持層の自民党への回帰が進んでいる兆候がある。