西田薫氏の府議選の収支報告書は、事務員・車上運動員への報酬がすべて削除されていた
当時、西田氏は大阪府議を辞職して総選挙(10月27日投開票)への出馬準備を進め、維新に公認を申請していた。ところが、府議選の報告書に報酬を支払ったと記載されていた支援者から「報酬はもらっていない」との通報があり、維新の本部は、内々の調査に乗り出していた。通報した支援者C氏は本誌の取材にこう話した。
「府議選後に西田さんから架空の領収書を渡されてサインをしてくれと頼まれ、なぜだろうと思っていた。それで西田さんが衆院選に挑戦することが決まった際に西田さんの収支報告書を見たんです。すると受け取っていない私の報酬が書かれていたので、疑問に思い、党に通報しました」
総選挙直前に虚偽記載が発覚すれば、西田氏は維新の公認を得られない可能性があった。そこで西田氏は夫人を伴って1年半遅れで報酬を支払うために、現金入りの封筒を用意して報告書に「報酬を支払った」と記載された支援者たちを訪ねたのではないか。支援者D氏もこう言う。
「10月5日の夜に血相を変えた西田さん夫妻が訪ねてこられ、『とにかくお金を預かってくれ』と懇願されて仕方なく受け取りました」
A氏はさらに重要な証言をこう続ける。
「西田さんの説明は、維新の党本部から府議選の時に報酬をもらってない運動員がいると問い合わせがあり、『なんのことかと思って金庫を開けると、運動員のみなさん9人分の報酬をそれぞれ封筒に小分けして入れたものと、それぞれの領収書が残っていて、渡せていなかった』というもので、受け取ってくれと。
私たちはこれまで事務所で選挙のお手伝いをしてきたけど、報酬をもらうようなことはしていない。2人で何度も突き返したんです」