第104代首相に就任した高市早苗氏は、10月21日の夜に官邸で新任会見に臨んだ(2025年10月撮影:小川裕夫)

第104代首相に就任した高市早苗氏は、10月21日の夜に官邸で新任会見に臨んだ(2025年10月撮影:小川裕夫)

 野党が大同団結して連立を組むなら、議席数が圧倒的に多い立憲から首相を輩出するのが自然だろう。2025年10月20日現在、衆議院における議席数を会派別に見ると立憲が148、維新が35、国民が27となっている。立憲と維新で4倍以上、立憲と国民では5倍以上の差がある。それでも立憲は「野党3党がまとまるなら、代表の野田佳彦氏ではなく国民の玉木雄一郎代表に首班指名を一本化する」と明言した。

 立憲が首班指名を一本化すると早々に言い出したのには、理由がある。2024年の衆院選後に実施された首班指名では1回目の投票で過半数を得た候補者が出ず、石破茂・野田佳彦両名での決選投票までもつれこんだ。決選投票で石破・野田以外の候補者名を書いた議員が複数いたために、結果として石破政権の続投が決まった。もし決選投票で野党がまとまっていれば、非自民党政権が誕生する可能性もあったのに、そのチャンスを逃したという思いが残っていた。

 首班指名選挙の決選投票で残る2候補以外の名前を書くと無効になる、というのは国会議員なら当然、承知しているはずだ。それでも頑なに国民の議員たちは石破・野田の名前を書こうとしなかった。

 もともと立憲と国民は旧民主党としてひとつの政党だったが、希望の党騒動によって2017年に分裂した。その後、立憲と国民という別々の道を歩んだが、両党の議員から大きな塊となることが模索されて、2020年に国民の一部が立憲へ、そして旧民主党時代に分裂していたメンバーが国民へと再合流した。繰り返された分裂と合流は両党に大きな溝をつくり、その禍根は今でも尾を引いている。

玉木雄一郎代表が若き挑戦者だったころ

 2020年に一部などが立憲に合流したあとの国民は危機的状況で、玉木代表は当時を振り返り「支持率は0.9とか1.0とか、視力検査のような数字だった」と記者会見や街頭演説の鉄板ネタにしいているほどだ。だが、苦境にめげず”対決より解決”を地道に訴えたことで支持を拡大、勢いを取り戻した。とはいえ小規模で、5倍以上の議席数を持つ立憲が首班指名で玉木一本化すると宣言したのは、遺恨はあっても自民党から政権を奪取したいという野心が強いからだ。大胆な一本化宣言は勝負にかける心意気を感じさせるものの、政権交代が目的化しているとの批判もある。なにより、玉木氏の「経験不足」ゆえに不安な気持ちもわいてくる。

 国民の代表を務める玉木氏は、3年以上に及ぶ民主党政権時代に政務三役すら務めた経験がない。だが、国民の所属議員が全体的に未経験者ばかりというわけではなく、与党だった時代に国家戦略担当大臣を務めた古川元久氏や防衛副大臣・外務副大臣を歴任した榛葉賀津也氏といった経験値の高い議員もいる。

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