気持ちよく振ることだけを意識する

 ゴルフメーカーのプロ担当が驚いたのは、男子のトップアマ並みのヘッドスピード46m/秒の“飛ばし屋あいちゃん”のドライバーのシャフトだった。

「ドライバー(キャロウェイELYTE=8.5度)のヘッドに装着されたシャフトは“USTマミヤ アッタス スピードDR”だった。硬度はF1。Rよりも軟らかく、重さは超軽量の38グラムです。最近はドラコンのプロたちの間で軟らかい軽量シャフトを装着するのが流行りですが、レギュラーツアーのプロを目指す選手が軽量の軟らかシャフトで飛ばしているのには驚いた」

 どういった点に凄さがあるのか、クラブ設計家の松尾好員氏に聞いた。

「軟らかいシャフトの場合、あくまでスクエアにインパクト出来たと仮定してですが、シャフトが軟らかい分ダウンスイングで大きくしなって、インパクトでスクエアインパクトに対して速く戻ります。結果、ヘッドスピードを上げやすくはなります。後藤さんの場合、わずかだとは思いますが、もともとヘッドスピードが速いことへのプラスアルファがあるでしょう。また、軽量シャフトもヘッド速度を少し上げる要素にはあります。

 一方で難しさもあります。軟らかいシャフトはたわみ量が大きく、かつネジレも大きいので、一般にインパクトはバラツキやすくなります。スイングのタイミングが狂いがちな軟らかいシャフトのほうがインパクトのばらつきも大きくなります。

 後藤さんが軟らかい軽量シャフトで飛ばしているということは、ボール初速が速く(ミート率が良く)、ボールのスピン量が適正(スピン量が少なめ)だと判断できます。自分に適したヘッドとシャフトの組み合わせが選択できているということでしょう」

 同様の考え方はアマチュアゴルファーでもできる可能性があるという。

「すべての人に合うわけではありませんが、一般論で言えば自分が考えているより軟らかいシャフトで真っすぐ飛ぶかをチェックするとよいでしょう。軟らかいシャフトのほうがしなり戻りが速くなるのでヘッドスピードが少し上がり、飛距離が伸びる一方、ミートが難しくなる。ですから、いつもより軟らかいシャフトでミートして真っすぐ飛ぶなら、そのほうが飛ばせる、ということになります」

 前出のゴルフメーカーのプロ担当によれば、「後藤さんは“飛ばそうと思って振るとダメ。ミート率も下がって逆に飛ばない。気持ちよく振ることだけを意識する”のだそうです」という。アマチュアゴルファーにも参考になる考え方なのか。

※週刊ポスト2025年11月7・14日号

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