息子の俳優活動を応援していた古尾谷さん

 父は最初、僕が若くして俳優の道に進むことに反対していたんです。「古尾谷家は子どもに食わしてもらうような家じゃない」って。父親としてのプライドがあったのでしょう。でも、いつ頃からか応援してくれるようになっていました。

 僕が中学3年生か高校に上がった頃、夜中に僕がトイレに行こうとしたとき、リビングで映画『丑三つの村』を観ていた父が、「ちょっと観てくれ」と言って僕を呼び止め、クライマックスシーンを見せて、「いつかこの役をおまえにやってほしいんだ」と言ったのです。そんなふうに思っていてくれたんだな、と初めて知り、やっぱり嬉しかった。

 父は僕の芝居についてアドバイスをするとか、一緒に演技や作品について語り合ったことはありませんでした。ただあるとき、スティーブ・マックイーン主演のギャンブル映画『シンシナティ・キッド』を僕に見せて、「このシーンをどう思う?」とシーンや作品の解釈について考えさせたことがありました。僕の考えを話して聞かせると、満足そうに頷いていた父の横顔を、よく覚えています。

 僕の俳優デビュー作は、2002年の昼ドラマ『太陽と雪のかけら』(TBS系)でした。父も出演していた作品で、僕は父が演じた役の20歳の頃、という役でした。撮影のとき、父は自分の出番が終わった後、僕の出演シーンをずっと遠くから見守ってくれていたそうです。でも、その翌年の3月に、父は亡くなってしまいました。父と共演し、一緒に画面に映れなかったのが心残りです。

 僕は父が亡くなった後、ドラマ『ごくせん』第2シリーズなどに出演していました。『ごくせん』はオーディションで選んでいただき、共演には亀梨和也君や赤西仁君、速水もこみち君、小池徹平君……振り返ると、すごいメンツです。

 早朝から夜中12時を過ぎるほど長時間の撮影があり、僕のリーゼント頭が崩れて大変でしたが(笑)、その前に出演した学園ドラマ『ライオン先生』(日本テレビ系)で共演した人も4~5人いて、もう一度高校生活を送っているようで楽しかった。視聴率が良かったから、一度、撮影後に出演者、スタッフ全員が広いスペースに集められ、寿司職人がズラッと並び、目の前で寿司を握って食べさせてもらう、という厚遇を受けたことがありました。

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