六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
分裂抗争を一方的な宣言で終結させて以降、組織刷新を進める六代目山口組。
同時に9つの親戚・友好団体との関係性の強化にも動き、10月には中核組織・弘道会の最高幹部と関東の老舗組織である東声会の早野泰会長が、組織を超えて兄弟盃を交わし話題を呼んだばかりだ。
だが、六代目山口組に次ぐ国内2番目の規模を持つ住吉会との間に、不穏な動きが見られていたことがわかった。
きっかけは、10月30日、六代目山口組の竹内照明若頭が六本木にある稲川会本部会館を訪れ、内堀和也会長と面会したことだった。実話誌記者が語る。
「竹内若頭と内堀会長は兄弟盃を交わしていて組織を超えた信頼関係があると言われます。そのため、なにか伝えたいことがあるなら電話でもすればいい。
わざわざ人目につく本部に顔を出したのは何か大きな相談事があるはず。集まったメディアも警察関係者も首を傾げていたと聞いています」
この一件に前後して、暴力団関係者、メディアでは六代目山口組の名門組織・山健組を率いる中田浩司若頭補佐と、住吉会の小坂聡会長代行が盃を交わすという真偽不明の情報が広まることになる。この盃情報はまさに“驚愕”ともいえるものだった。
「六代目山口組と住吉会は稲川会を交えてトップ3者会談をするなど、近年は関係が良く見えます。2000年代に抗争を起こしたこともあり、いまも遺恨が全くないとは言えない。現に六代目山口組の親睦・友好団体に住吉会は含まれていません。
しかし、昨今の暴力団は警察の規制も厳しく、構成員数も減少しているため組織間の協力は必要不可欠。山口組と住吉会の最高幹部同士が盃を結ぶとあれば、大きな出来事です」(同前)
そのため10月30日の竹内若頭の稲川会訪問の裏には、この盃が関連していたと見られる。警察関係者はこう推測する。
「暴力団の盃には、それを見届ける“取持ち人”が必要です。取持ち人は誰でもいいわけではなく、盃をあげる2人より同格以上が受け持つというのが業界ルールだ。
六代目側は執行部(若頭、若頭補佐らで構成され組織運営を担うとされる)、住吉会側は会長代行という肩書きのため、竹内若頭は気心の知れている稲川会の内堀会長に頼みに行ったのではないか」
