エスカレーターのふもとには瓦礫の山が
「(翌9日の午後時点で)避難所はもう全部閉めました。公式な場所だけでなく、駐車場に車を止めて避難するといった非公式な集まりもありましたが、それらも含めてです。正直、八戸市方面のほうが被害はひどかったと聞いていますよ。テレビで軽トラと一緒に道路が陥没している映像がたくさん流れたことで、被害が大きくみえているところがあるかもしれません。問い合わせが増えていますが、こっちは大したことないです」
八戸市ではショッピングモールやホテルが臨時休業
職員の言葉通り、地震が深く爪痕を残したのは八戸市だった。八戸駅周辺から車を走らせると、瓦礫が散乱し、営業を停止してシャッターを下ろした店舗が目立つようになってきた。
取材班は、駅から車で15分ほどの距離にあるショッピングモールへ向かった。普段なら家族連れやカップルで賑わうはずの場所だが、人の気配は感じられない。『ドン・キホーテ』などが入居するこのモールでは、クリスマスツリーが無残に倒れ、華やかなデコレーションが地面に散乱している。中央部のエスカレーターには、天井や壁から剥がれ落ちたと思われる瓦礫が山をなしていた。
さらに市内を進むと、窓ガラスが派手に割れ、周囲にカラーコーンが置かれたホテルが目に留まった。玄関には「臨時休業」を知らせる張り紙。ホテル従業員の話。
「地震の影響で、当面営業はできないと判断しました。地震当日に宿泊されていたお客様には、八戸市内の被害が少ない別のホテルへ移動していただきました。外から見てわかる被害も大きいですが、屋内の被害も甚大だと聞いています。割れたガラスの奥に見えるのは、うちの元会長をキャラクターにした置物です」
割れたガラスを見つめる元会長も、予期せぬ被害を心配しているように見えた。
