煩悩を否定せずありのまま受け入れる
身体的ルーティンを決める
しかし、気をつけなければならないのは、歪な形で発露される性欲は、清浄ではないということです。「魔が差す」という言葉で表わされるように、痴漢や盗撮など、出来心で相手を傷つけるのは仏教でいう「悪」です。
セックスにおいて女性がピロートークを求めるのは、それによって性的な満足が得られるからに他なりません。満足感を得られた女性は美しくなります。男女の性愛はお互いが快楽を得ることによって高まるのですから、男性は女性への気遣いが何よりも大切であると心得てください。
加害的な行為を慎むためには、歪な欲望が脳裏に浮かんできたら手を叩くなど、身体的なルーティンを決めておくとよいでしょう。
例えば、イライラしたり暴言を吐き続けたりしてしまうのなら、朝起きて伸びをして、水を一杯飲む。それを繰り返していくうちに気持ちが静まり、正気に戻るようになるはずです。
私は思考が何か嫌な方向に向いていると感じた時は、入浴中に肩に手を置くようにしています。するとそれが合図となって緊張が取れ、心が落ち着くのです。
よくない性衝動が起きた時は、それを相手に向ける前に、自慰をすることも効果的でしょう。
仏教では同じ行為を繰り返すことを大切にしています。何事も200回行なうことを意識する。僧侶が経を唱え続ける目的のひとつは没頭すること。繰り返すことでいつのまにか「我」が抜けるからです。
煩悩を否定せず、ありのまま受け入れる。容易ではありませんが、それによって初めて見えてくる景色があるはずです。
※週刊ポスト2025年12月26日号
