リハビリや食事制限をしながらも徐々に体力を回復
「先生からは、手術では『私のパワーがギリギリもった』と言われました。術後にはICUに入り、一般病棟に移りました。先生には術後2日で、“歩いてもいいですか?”と聞きました。承諾されたので、病院内を20分程度歩きましたね。手術をして人工肛門を入れたので、少し邪魔でしたが、それも関係なく歩いていました。たぶん入院患者さんの中で、一番歩いていたんじゃないかなと思います」
だが、以前は74キロだった体重は術後に54キロまで落ちた。現役時代からスリムな体型だったラモス氏だが、耐えがたい日々だった。
「入院中もあまりお見舞いに来てほしくなかったですね。すごく痩せてしまったので、その姿を見せたくありませんでした。本当に酷かったですよ。ハーフパンツも着られない、抗がん剤治療の副作用で手足の肌はただれたみたいになって色も黒ずんでしまい、とても肌を出せる状態ではなかった。
顔を見たらみんなが心配するのがわかっているから、性格的にも嫌だったんです。手術の後1週間ぐらいは痛みもありましたが、堪えられない痛みではなかった。それよりもどうやって早く心配をかけている方に元気な姿を見せられるのか。それの戦いでしたね」
続編では大手術を乗り越えたラモス氏の現在、自身の名前が付いた「ラモスカップ」で復帰までの過酷な道のり、妻への想いなどについて語っている。
